11月24日にNHKのBSプレミアムで放送されるドラマ『遥かなる山の呼び声』(21:00~22:29)の試写会が10月31日、東京・渋谷の同局で行われ、阿部寛、常盤貴子が出席した。
山田洋次監督のオリジナル作品を自ら脚色してメガフォンを執り、高倉健主演で1980年に公開された映画『遥かなる山の呼び声』が、38年の時を越えて蘇る同ドラマ。北海道の大自然を舞台に、夫を失いながらも酪農に夢と生涯をかける風見民子(常盤貴子)と、悲運な運命を背負った田島耕作(阿部寛)の出会いと別れを感動的に描く。
阿部は「非常にプレッシャーが大きかったですね。『幸せの黄色いハンカチ』(2011年 日本テレビ系)でもやらせてもらいましたが、なぜ僕なんだと(笑)。健さんが演じた役は役者の誰もが断ると思うんです」と明かし、「山田先生からお話をいただいたのでやらせていただくことになりました」と山田洋次監督からのオファーで快諾したという。撮影は今年5月に北海道で行われ、阿部は「監督(朝原雄三)のリードと常盤さんの素晴らしい演技に助けられて良い撮影ができ、感無量の気持ちでいっぱいです」と充実感をにじませた。
倍賞千恵子が演じた風見民子役の常盤も「私もプレッシャーが大きかったんですが、映画の『遥かなる山の呼び声』を知らない世代の方にこの作品の良さを知っていただくためにも演じることが私たちの役目なんじゃないかと思って決心しました」と腹をくくったそうで、「色んな葛藤はありましたが、監督に助けられて私なりの民子が出来たかなと思います」と自信を覗かせた。
また、阿部は「この作品は高倉健さんありきで書かれた作品ですが、今回は現代版に変えて脚本をお書きくださりました。僕の役はセリフがほぼ昔のままでしたが、多くは語れないミステリアスなところもあってそこが魅力でもあります。役者として演じるのは醍醐味でもあり難しい部分でもありました」と感想を。常盤も「倍賞さんはドキュメンタリーっぽいお芝居をされていたので、そのエッセンスをいただきながらなるべく何かをしながらできたらいいなと思っていました」と倍賞の演技を参考にしたそうで、「山田監督の書かれたセリフを正確に一語一句言えたらと思いました。でも意外と監督が変えちゃったのでそんなに簡単に変えちゃうんだなと(笑)。私は『なるべく(脚本を)忠実に言いたいです!』と言ってさらに戻したりしながらやっていました」と明かしていた。