米国時間2018年10月24日、MicrosoftはWindows 10 Insider Preview ビルド18267をリリースした。今回の更新で注目すべきは、検索インデックスに拡張モードが加わった点である。振り返れば、検索インデックス機能をOSに内包したのはWindows Vista以降。それ以前はWindowsデスクトップサーチ(WDS)という単独のサービスとして提供していた。
Microsoftの説明によると、従来の「クラシック」と新たに加わった「拡張」という2つの方式を用意し、後者を選択することで新たな恩恵を受けられる。従来の検索インデックスは文書や画像、動画といったファイルを検索対象としていたが、拡張を選択すると検索インデックスの再構築が始まり、すべてのファイルが検索対象になるという。
ただし、いくつかのフォルダーは自動的に除外対象に加わる。今回は1台のPCのみ拡張モードに切り替えたが、各ユーザーのAppDataフォルダーやMicrosoftEdgeBackupsフォルダー、nuget用フォルダーが除外フォルダーに並んでいた。なお、Microsoftはインデックスの再構築に15分程度必要と公式ブログで述べているが、Core i7の2in1 PCでは作成完了まで30分ほど要した。
クラシックモードと拡張モードの違いを明確にする必要があるだろう。そこで、Cドライブ直下にtestフォルダーを作成し、検索結果に反映されるか試してみた。バージョン1809はもちろん表示されないが、ビルド18267は即座に反映された。
拡張モードの導入は、ある意味でWDSの復活に相通じると同時に、「インデックスのオプション」で作成対象フォルダーを取捨選択する手間を省くため、個人的には有用な機能だと考えている。他方で、インデックス作成時間が大幅に増加するという懸念は否定できない。
外出先などバッテリーでPCを駆動させる場合、バッテリー残量が気になるところだ。筆者が確認した限りでは、上図で示した「Pending」のカウントが積み重なり、電源ケーブルをつないだ時点でインデックス作成が始まった。このことを踏まえると、バッテリー駆動時において、インデックス作成によってバッテリー駆動時間を消費する心配はなさそうだ。
拡張モードの導入もさることながら、今回の変更で大きいのは検索機能のUWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)化だ。上図で示した「インデックのオプション」も拡張モードでは使用せず、Microsoftがクラシックモードを廃止する予定を持つのであれば、コントロールパネルのアプレットも1つ削除できる。
Windows 10の最終形はUWP化にあると述べても過言ではない。そこにはWindows 10のマルチデバイスプラットフォームを真(しん)に実現できるからだ。Windows 10 Mobileは残念だが、Microsoft HoloLensやXbox OneシリーズなどUWPデバイスは多岐にわたり、今後もWindows 10を基盤に進化していくだろう。検索機能のUWP化は19H1(次期大型アップデート)において、地味ながらも大きな第一歩となる。
阿久津良和(Cactus)