隣の住人のいびきが夜ごとうるさい、夜間に隣から非常識な物音がするなど、隣の部屋の騒音に困るというのはよくある話です。

この記事では、いびきをはじめとした騒音問題の対処法について、自分でできることから、管理会社に相談するポイント、警察や弁護士に相談する方法、騒音問題に悩まされない部屋のポイントなどを解説します。

隣人トラブルでもっとも多い原因は「騒音」

マイナビニュース会員対象のアンケート調査結果によると、隣人トラブルの原因としてもっとも多いのは「騒音」です。


第1位:隣人の騒音:36.8%
第2位:ゴキブリなど、苦手な虫の対処に困った:20.3%
第3位:郵便物・宅配物が受け取れなかった:14.3%
(対象500人 マイナビニュース会員男女対象のアンケート 2014年4月のデータによる)

また、男女500人を対象におこなった他のアンケート調査でも、近所の人のとくに気になるマナー違反として約半数の人が「騒音」をあげており、多くの人が隣人の騒音に悩まされていることがうかがえます。

実際に騒音に悩まされるような状況になったら、一刻も早く解決したい! と思いますよね。しかし、隣人トラブルはさまざまなリスクがあるため、感情にまかせて直接苦情をいうのは避けたほうがよいかもしれません。

というのも、相手は、近隣に迷惑をかけるほどの音をたてている自覚がない場合もあり、注意したことから隣人同士のトラブルになり、事件にまで発展してしまった例もあるのです。

自分でできる簡単な防音対策

騒音の大小や頻度も関係してきますが、まずは、自分でできる対処法を考えてみます。

耳栓

耳栓は、遮音グッズの定番商品です。100円程度の製品からオーダーメイド耳栓まで、多様な商品が販売されています。フィット感や、遮音性、素材などを比較して、ご自身の耳に適したものを探してみましょう。

防音カーテン

音は窓からも伝わりやすいため、カーテンも防音対策に効果があるとか。。分厚い生地のものを選び、二重にするなどの工夫をしてみましょう。また、防音カーテンなどを検討してみるのもよいかもしれません。

防音工事(DIY)

DIYで防音対策をする方法もあります。工事といっても、あくまで賃貸住宅の入居者にできる程度のものですが、ホームセンターで購入できるウレタン製の吸音材が効果的だそうです。板に貼るなどして、壁に棒などを使って立てかけます。

また、ピンで取り付けられる「吸音パネル」や「遮音パネル」といった防音グッズもあります。業者に頼んで工事をするという選択肢もありますが、全体的な工事になり費用が高額になったり、壁に手を加えるため賃貸住宅の場合は原状回復難しい場合があったりするするため、天秤にかけて考えると難しい所です。その前に管理会社に相談した方が良さそうです。

管理会社に相談する

自分でおこなう防音対策で解決できなそうな悩みであれば、管理会社に相談してみましょう。事実が明確であるほど、管理会社もスムーズに対処できますので、相談する場合は、以下のような客観的事実を伝えましょう。感じ方に個人差がある問題なだけに、できるだけ具体的かつ、客観的な状況説明ができるといいかもしれません。

・騒音は何時ごろにあるのか
・どんな音なのか
・どれくらいの頻度なのか
・どんな被害なのか
・(もし機会が準備できれば)測定器で計ってみる

その苦情を受けて、管理会社が対処する場合、会社によりますが、たとえば対応には以下のようなものが考えられます。

・注意喚起のチラシを、掲示板やエレベータ等にはり出す
・注意喚起のチラシを、全戸に配布する
・原因住戸の入居者に直接注意する。

いびきなどは難しいかもしれませんが、悪質な騒音であれば対処してもらえる可能性があります。ただ「うるさくて困ってる」だけでは、騒音を出している隣人が自分のことだと気づかない、または「本当に自分のことだろうか?」「そんなうるさいだろうか?」と納得してもらえない可能性もありますので、説明は重要です。

警察や弁護士に相談する

管理会社に相談しても改善しない場合や、管理会社が対応してくれない場合には、弁護士や警察に相談する方法もあります。有償ですが、弁護士に相談するという手段をとった場合、弁護士から、代理人として「あなたが迷惑を被っている」という旨の内容証明を送ってもらうなどすると、抑止効果が期待できるかもしれません。

また、警察には「#9110」という警察相談専用電話があります。普段の生活において事件や事故の発生には至っていなくとも、日常生活の安全や平穏に関わることについて相談できる公共サービスです。場合によっては、なんらかの対処をしてもらえるかもしれません。

引っ越す

トラブルが長続きしそうなら、思い切って引っ越すことも解決策のひとつです。

引っ越す場合には、建物の構造に注意

引っ越しするほど騒音に悩んだのなら、今度はできるだけ騒音の心配fが少ない部屋に移りたいですよね。コンクリートには高い遮音性があるため、鉄筋コンクリート(RC)造やスチール鉄筋コンクリート(SRC)造などの物件を選ぶのがおすすめです。とくに分譲マンションの賃貸物件は、比較的造りがしっかりしています。完全に騒音が無い物件、というと難しいかもしれませんが、隣人を選ぶことができない以上、建物にこだわってみてもいいでしょう。

また入る前に、不動産会社や管理会社に、過去の事情を話して隣人や建物内のトラブルについて聞いてみるのもおすすめです。守秘義務はあれど、場合によっては何か情報を教えてくれるかもしれません。

おわりに(騒音トラブルの対策と解決方法)

騒音に悩まされた場合、頻度が少ない、または軽微に感じる場合は、まず自分でできる耳栓などのグッズやカーテンの種類を選ぶなどの対策から始めてもいいかもしれません。それでも改善されない場合や我慢できない場合、悪質な騒音被害の場合は、自分で直接言いにいくのではなく、管理会社を通じて連絡してみるのがおすすめです。また、警察への相談や弁護士による注意喚起、引っ越しの検討など、程度によって対処法はさまざまです。次に引っ越しするときは防音に優れたSRC造・RC造の遮音性に優れた物件を選び、騒音に悩まされないようにしたいですね。



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