JR九州は29日、国重要文化財である門司港駅の2階に2019年3月にオープン予定の洋食レストラン「みかど食堂 by NARISAWA」のおもなメニューや内装イメージ、シンボルマーク・ロゴが決定したと発表した。
「みかど食堂」は門司港駅が開業した1914(大正3)年に駅舎2階で営業開始した高級洋食店。名物のカレーはソースポットで提供され、テーブルにはフィンガーボール、内装もシャンデリアが吊るされるなど豪華で贅沢な空間だったという。門司港駅の復原工事中に旧厨房の床下から発見された伝票によると、1日に200組の来店があり、大変にぎわっていたとのこと。しかし、関門トンネルの開通により利用客が次第に遠のき、1981(昭和56)年に閉店している。
その「みかど食堂」を再興した「みかど食堂 by NARISAWA」は、東京・南青山「NARISAWA」オーナーシェフ、成澤由浩氏が監修する洋食レストラン。世界に類を見ない日本独特の食文化である洋食と「NARISAWA」の現代性をミックスさせ、時代に合った最高の洋食を提供する。
内装は門司港駅の駅舎が持つ当時の格式を再現するだけでなく、シェフが生み出す新たな洋食の魅力に呼応するように、ものづくりの街である地元の技術者の高度な技法を取り入れるなど、現代でしか生み出すことができない格式と新しさをあわせ持つクラシックモダンなデザインとしている。
シンボルマークはJR九州の制帽等のエンブレムにも採用されていた「動輪」のマークと、「門司港駅=起点駅」からスタートする「線路」をモチーフとすることで、門司港駅の復原・みかど食堂の再興への思いを象徴的に表現している。放射状に広がる動輪は、門司港・北九州から福岡・九州へ、さらにアジア・世界へと広がる交流をイメージし、全体を丸で囲むことにより、起点駅としての「ゼロ哩」も表現している。ロゴは一般的な「食堂」ではなく高級感のあるレストランをイメージし、細い線で高級感を表現した。
おもなメニューは、ハンバーグ、ビーフシチュー、ビーフカレー、グラタン、オムライス、アジフライ、ナポリタン、ドリア、エビフライ、カキフライ、カニクリームコロッケなど。価格帯はアラカルトが1,200円から、セットが2,500円から、コースが4,000円からを予定している。