Appleの直営ショップ「Apple 渋谷」のリニューアルオープンを前に、24日、プレス向けの内覧会が実施された。

  • 10月26日8時のリニューアルオープンを控えたApple 渋谷

Apple 渋谷は、2018日10月26日午前8時にリニューアルオープンを予定しているが、それに先立ち、プレス向けの内覧会が実施された。当日は多くの報道陣が集まり、ストアリーダーの酒井亨さんから店舗のコンセプトなどが紹介された。

  • 所在地は以前と変わらず。渋谷駅から公園通りをちょっと上がったところ

Apple 渋谷は日本で四番目のApple Store実店舗として2005年8月に40人のメンバーでスタート。2017年に一旦クローズしてから改装が行われ、この度のリニューアル開店と相成った。国内のApple Storeとして、リニューアルがかけられたのはこれが初めてとなる。今回のリスタートに際しては、150人のメンバーが招集されたが、そのうち15人は2005年のグランドオープン時の面々とのことだ。

  • 一階はiPhoneやiPad、Macやアクセサリ類が並ぶ

  • 二階はApple Watchもディスプレイ。キャリアの契約もこのフロアで受け付ける

  • Today at Apple」のセッションが実施される三階

  • 美しいデザインの螺旋階段。Steve Jobs Theaterを彷彿とさせるデザインが取り入れられている

  • 三階から見下ろしたところ。SNSに投稿されまくるであろうエリア

  • 材質は異なるものの、デザインはSteve Jobs Theaterのそれと同じ手摺

建物の前面は外光が差し込む透明なガラスで覆われ、どのフロアからも公園通りの賑やかな様子を伺えるようになっている。リボンをイメージしたような中の螺旋階段は三階までまで延びる。そう、新しいApple 渋谷は三階まで売り場が拡張されたのだ。三階は無料の学習講座「Today at Apple」のセッションが開かれ、テクニカル担当の「ジーニアス」も控えている。一階はiPhoneやiPad、Macやアクセサリ類が並び、二階ではそれらに加え、Apple Watchが陳列されている。iPhone/iPadのキャリアの契約もこのフロアで受け付ける。

  • 「Today at Apple」のショートバージョンをプレス向けに実施

  • iPad ProとApple Pencilを手に、「keynote」を使ってプロトタイプを作っていく

この日は、「Today at Apple」のショートバージョンがプレス向けに実施された。内容はApple純正のプレゼンテーションアプリ「keynote」を使って、iOSアプリのプロトタイプを作っていくというものだった。「keynote」では、プログラミングのコードが書けなくても、リンク機能などを駆使して、iOSアプリ「のようなもの」を作成できるのだ。Appleご意見番的なジャーナリストも、スタッフから、これご存知ですか?的な機能が紹介されると思わず唸るといった具合でセッションは進行し、短い時間であったが、「Today at Apple」のエッセンスを受け止めて帰った。

  • 法人向けの商談スペース「BOARDROOM」

Apple 渋谷には、実は、もう一つ上のフロアがある。そこでは、先日オープンしたApple 京都と同じく、法人向けの商談スペース「BOARDROOM」が設置されているのだ。「BOARDROOM」の設置は、都内でこれが初となる。「ビット・バレー」と呼ばれる渋谷ではテクノロジー系のスタートアップ企業も多いので、この施策は大いに頷けるところではある。

  • Apple 京都のと比べると、ちょっと小さめ

  • でも、調度品は一緒

  • 壁に飾られたイメージスケッチなども基本的に同じ。ちなみに画面左手のオブジェが、例のSteve Jobs Theaterの手摺の部材

「BOARDROOM」はApple 京都のそれと比べると、ソファなどの調度品がなく、やや小さいが、基本的にはApple Parkの会議室と同じ内装となっている。壁にApple Parkの写真や、ノーマン・フォスターによるイメージスケッチが飾られているところも同じだ。

  • 二階にある、このAppleロゴは触れるようになっている

  • らせん階段の最上部にあたる三階。ここも写真スポットになりそうだ

歩道に面してえらく開放的だった新宿とはちょっと違う印象を受けたね。歩道から店内すべてが見渡せた新宿に対し、2階以上が気になるというか(笑)。お店の広さが違うから、その点は仕方ないとはいえるけど。

稲葉 うーんでも、外と中をシームレスにするってコンセプトには沿ってるんじゃないかな。渋谷もTown Squareコンセプトだってよ。

確かに、Town Squareって話だったよね。テラスのある3階、窓がガーッと開いて外に出られるのかと期待したけど、そうじゃなくて残念(笑)。

稲葉 ああ、あそこね。安全性にも配慮してんでしょ、そこは。開放したはいいけど、落っこちる人も出てきたなんてことにならないように。

そうね。渋谷はワールドカップやハロウィンのたびにやんちゃな人々が集まるから(笑)。

稲葉 うん、お客さんって言うか、他者への配慮とか、本来の意味での忖度って、明らかにAppleのキーワードになってるじゃん、iPhone XRのレビューでも書いたけどさ。今回のリニューアルオープンに際しても、発してるメッセージはこれだよ。
「違う視点を見つけにいこう。渋谷に集まる人の情熱、スタイル、ものの見方はみんな違います。しかし、その違いこそが創造力の源であると私たちは考えます。生まれ変わったApple 渋谷は、あらゆる人のあらゆるアイデアがつながる場所。」
人と違うことが大事なことって言ってる。

おお、人と違うこと! あなたと私は違う、で、互いが違うと認め合って初めて関係性が始まる的な。

稲葉 これ、気づいてる人、どれくらいいるのか分からないけど、政治的なメッセージですよ。分断でなく、連帯を選ぼうって。となると、渋谷にビデオウォールがなかろうが、フォーラムがなかろうが、基本コンセプトは「まちの広場」ってことになる。面白いと思ったのは、都内の四店舗も全部、違うんだよね。シアターがある銀座、ビデオウォールとフォーラムがある新宿、BOARDROOMがある渋谷、完全独立型店舗の表参道。

なるほど。人もお店も違うもの、としてるのかな。

稲葉 ってことじゃない? Apple Storeって、世界中どこ行っても同じサービスが受けられるってのが売りの一つではあったけど、ちょっと違うとこ行こうとしてる。

なるほどなるほど。いろんなストアに行ってみてください、ということかな。

稲葉 うん、それで地域社会の紐帯的な存在を目指す、と。売って売りっぱなしじゃないよ、と。

そうね。無料の「Today at Apple」セッションに来てくださいね、と。製品からサービスから、全部がひとパッケージに収まるイメージって言うか。

稲葉 建物のデザインはほかにどう? Steve Jobs Theaterと似てるとことかあるけど。

らせん階段や、階段の最上部が円形になってるところなど、随所にSJTっぽさを感じたよね。行ったことない人でも、Steve Jobs TheaterやApple Parkの気分が味わえる、と。2階のAppleロゴが触れるのはApple Storeで唯一かも(笑)。

稲葉 おお、そうだ! 吊られてるとこが殆どだっけ?

そうそう。今回は普通に窓に張られているから、来店した人が触れちゃう(笑)。記念撮影とか思い出残すのにいい場所になるだろうね、確実に名所になりそう……。2階のAppleロゴと3階のらせん階段を見下ろす場所は、相当混雑すると思う(笑)。

稲葉 法人向けのBOARDROOMはどうだった? オレ、京都で見てるけど。

初めて入ったけど、あそこはさすがにカジュアルではなく厳かな感じだったね。基本的に、京都のと揃えているのはさすが。

稲葉 って言うか、Apple Parkと揃えてんのな。

ああ、そうか(笑)。


稲葉 今年、オレより海外取材多いのに酷い(笑)。

当日並ぶとしたら、どっちに列伸びるんだろ? NHKの方かな??

稲葉 それなw iPhoneの行列はNHKのほうに伸びてたで。

やっぱ駅から離れる方か。なんか大変そう……。

稲葉 京都の時も新宿の時もすごかったよ。ともに1,000人越えだったから。今回、平日だけど、どれくらいいくかな?

そうか、土曜じゃなくて平日か。渋谷区、ハロウィンの人出で戦々恐々としてるけど、Apple 渋谷の行列でもびっくりしたり(笑)。

稲葉 10月末の渋谷はお祭り騒ぎが続くと。

渋谷らしいといえば渋谷らしいけど。

稲葉 だね。という意味では、その土地らしい店舗がその土地にあった展開見せるってコンセプトにバッチリ合う(笑)。

なるほど!

リニューアルオープン当日は、iPhone XRの発売日とも重なっているだけに、平日だろうが大行列となるのは必至。例によってApple Storeの開店記念プレゼントも用意されているので(今回はTシャツ、ピンバッチのセット。特製ボックス入り)、それ目当ての方も多いと予想する。「煽るな」と怒られそうだけど、プレゼントを入手したければ、この記事読んだら、渋谷に直行するくらいの気持ちでいたほうが良いのではないだろうか。