アップリカ・チルドレンズプロダクツは10月24日、チャイルドシートの新製品「フラウディア グロウ ISOFIX 360°セーフティー」を発表しました。前後だけでなく、車の側面からの衝撃にも対応したその安全性について”赤ちゃんを360°の全方向から守る”とうたっています。その特徴について紹介していきましょう。
ヨーロッパ最新の安全規則「R129」
同製品は、赤ちゃんの身長や体重、発育段階に応じて「平ら」「後ろ向き」「前向き」にシート形状を変えられる回転型のチャイルドシート。新車の乗用車の座席に2012年7月より設置が義務付けられている、ISOFIXバーで固定して使用します。
その最大の特徴は、「R129」に適合したこと。R129とはヨーロッパ発祥の最新安全規則で、前・後ろ・側面からの衝撃に備えた製品のみが承認されています。同社の担当者は「日本国内で販売されている回転型のチャイルドシートにおいて、初めてR129に適合したのが本製品」(2018年10月現在)とアピールしました。
ちなみに、従来の安全規則「R44」に対応した製品と比較すると、製品化までに要する衝突試験の数は1.5倍にまで増えたとか。厳しいテストにクリアした本製品なら、より安心して使用できそうです。
すべての方向からの衝撃に対応
それでは機能性について、もう少し細かくチェックしていきましょう。この製品は、赤ちゃんを平らに寝かせることができます。これは、生まれて間もない赤ちゃんが楽に呼吸できる姿勢。頭部を包み込むヘルメットのような構造の「全身マモールクッション」が、なんとも柔らかそうです。側面にはサイドクッションがあり、足にも包み込むようなクッションを用意。赤ちゃんの未熟な身体を徹底的に守ることが考えられています。
15カ月未満の子どもなら、前向きより衝撃の負担が少ない後ろ向きの状態で座らせます。前向き・後ろ向き使用時に有効になるのが、両サイドに装備された「サイドシールド」。ドア側からの強い衝撃から身体を守る頑丈なプロテクターです。
同社ではおおまかな目安として、赤ちゃんの身長が40cm(新生児)~70cm(1歳)までは平ら、60cm(3カ月)~85cm(2歳)までは後ろ向き、75cm(1歳)~100cm(4歳)までは前向きといったように、シートの形状を変化させて使用することを想定しています。
同製品は、通常モデルのほかに「プレミアム」モデルも用意。プレミアムモデルには、フットシート・エキストラシェード・肩パッドカバーが付属されます。メーカー希望小売価格は、通常モデルが税別64,000円、プレミアムモデルが税別69,000円。12月上旬から全国のベビー用品専門店・百貨店・ネットショップなどで順次発売します。
市場の理解は進まず?
普段とは趣を変えて、神田明神で行われた今回の新製品発表会。その前半には、ある市場調査の結果が紹介されました。それによれば「車を運転する母親の3人に1人が、側面のドアに他車が衝突する危険を感じたことがある」とのこと。ここでR129の安全規則を満たした製品の有用性が強調されます。
続いて、チャイルドシートの必要性について聞いた質問では「重大な事故の際に命を守るから」を選んだ人が54.8%、「重大事故でなくても怪我を防げるから」が31.4%。怪我をしないために使用している人がまだまだ少ないことが分かります。さらには、母親の約8割が「どのチャイルドシートも安全面で違いはない」と認識していることが判明。母親の安全意識が薄いことが懸念されます。同社では、今後もチャイルドシートへの理解促進を継続して行っていくと説明していました。
発表会のあとは、神田明神で交通安全を願って祈祷が行われました。まもなく年末の帰省・観光シーズン。車で移動する、すべての家族と子どもの安全を関係者一同で祈る時間がもうけられました。