ダイソンが10月23日、美容家電の新製品を発表しました。今回の新製品は、ドライ(※1)、ブロー(※2)、カールを1台でこなすヘアスタイリングツール「Dyson Airwrap スタイラー(ダイソン エアラップ スタイラー、以下エアラップ)」です。公式オンラインストアでの価格は59,400円(税込)から。風と熱を操り、スタイリング時に髪のダメージを気にせず仕上げられるというのですが、その詳細をレポートします。
※1 : 本記事では髪の毛を乾かすことを表します
※2 : 本記事では髪の毛を乾かしながら、ブラシなどの道具を使ってヘアセットすることを表します
髪の毛を自然に引き寄せる
エアラップのポイントになる技術は「コアンダ効果」です。これは、高速・高圧の気流が物体の側面に沿って流れる現象のこと。
エアラップでは、適切な速度と圧力で送り出された空気がカーラー表面に沿って流れ、周りの空気を引き寄せます。これが、スタイリングに効果を発揮するのです。実際にエアラップを使ったスタイリングのやり方をみてみましょう。
カーラーに空いた幅0.6mmのベント(通気孔)が、カーラー表面に連続的に気流を流します。コアンダ効果で髪をカーラーに自動で引き寄せて、髪にくせをつけます。パッケージには右巻き用と左巻き用に2種類のカーラーが付属。作りたいスタイルにあわせてカーラーを選びましょう。
実際に自分の髪で試しました。髪を少なめにとり、エアラップを近づけると、自然に髪が巻きつきます。最初は難しかったのですが、何度かトライするとコツをつかめました。
ヘアアイロンと違って、カーラーが熱くならないので火傷の心配もなく安心です。使い終わったらすぐに片付けらるのも便利でしょう。
ブローの仕上がりに感動
発表会の会場では、スタイリングのデモンストレーションが行われました。エアラップは、湿った髪を乾かしながら髪の毛をセットできます。髪が湿っているときは、髪の毛内部の水素結合が切れて、髪の毛のクセがリセットされます。その状態でエアラップを使うと、水素結合を起こしながら髪の毛にクセをつけられるというのです。髪の毛を乾かしながらスタイリングができるので、朝のセット時間を短縮できます。
デモンストレーションをみて最も驚いたのは、スムージングブラシのデモ。髪の毛にサッとブラシを通しただけで、まっすぐになったんです!
筆者はうねった髪の毛をまっすぐにするため、お風呂あがりにブラシでひっぱりならがらドライヤーをあてています。エアラップを使って、うねった髪の毛を簡単にストレートに仕上げているデモをみて関心しました。これもコアンダ効果のおかげなんだそう。
パワフルに、小さく
エアラップの本体内部には、ダイソン デジタルモーターV9、リング状ヒーター、ガラス球サーミスター(温度センサー)を搭載しています。V9モーターでコアンダ効果を発生させ、温度センサーで1秒ごとに最大40回温度を測定、調整しているので、過度な熱に髪がさらされることを防ぎます。
製品開発を担当したジェイク・ダイソン氏に、一番苦労した点を聞くと、「パワフルなモーター、ヒーター、電子部品を搭載しながら、本体を小型軽量にするのが難しかった」といいます。
ダイソンは、今回の新製品の研究開発のために、あらゆる国々・地域の人の髪質を研究したといいます。エアラップの研究開発費はおよそ35億円!
「普通のアイロンは熱ダメージが心配ですが、エアラップはセンサーを搭載して温度を測定・制御しているので、髪の毛が過度な熱にさらされることはありません。スタイルのキープ力も優れていると考えます。どんな髪質の人でも、美しいスタイリングが可能なヘアスタイリングツールです」とジェイク・ダイソン氏は自信をのぞかせます。
クリスマスプレゼントにどう?
アタッチメントが豊富なので、女性はもちろん、髪が長めの男性がボリュームアップに使っても良さそうです。
パッケージには、スタイラー本体とアタッチメントを収納できるボックスがついてくるのですが、ボックスは非常に高級感がありました。クリスマスプレゼントで贈ったら喜ばれそうですね(筆者はうれしい)。