KDDIとKDDIアセットマネジメントは10月24日、個人向け確定拠出年金サービス「auのiDeCo」の提供を開始した。
運営管理手数料は0円、ポイントも貯まる
「iDeCo」(個人型確定拠出年金)は、毎月決まった掛金を投資信託や定期預金などで積み立て、60歳以降に年金または一時金で受け取る私的年金制度。積立期間中の掛金全額が所得控除、運用期間中の運用収益(利息・売買益)が非課税になり、さらに受取時にも一定額まで非課税と3つのタイミングで税制優遇を受けることができる。そのため、積立・運用期間が長いほど節税効果も大きくなる。
auのiDeCoは、専用のスマートフォンアプリで、お申し込みから運用状況の確認・運用商品の見直しまで、年金管理に必要な機能をワンストップに集約し、運用スタイルの調整を行える。仕事をリタイヤするまでにいくら積み立てられるか、節税金額の試算シミュレーションがアプリ上で確認できるほか、毎月の掛金拠出額の状況や運用実績を日々確認することができる。
運営管理手数料は永年0円(国民年金基金連合会等や信託銀行等の手数料は別途発生。また、iDeCoの加入時、加入後においては、加入・移管時の初期手数料や、給付・還付等の際に手数料が発生する)。さらに、同サービスでは、利用者が保有している投資信託の残高に応じて、「WALLET ポイント」最大0.1%または「Wow! スーパーポイント」最大0.05%が還元される。
運用商品は投資信託4本と定期預金を用意
運用商品は、リターンとリスクの水準を選べる投資信託として、KDDIアセットマネジメントが投資運用業として設定する「auスマート・ベーシック(安定/安定成長)」「auスマート・プライム(成長/高成長)」の4本、元本確保型商品として三菱UFJ銀行の確定拠出年金専用1年定期預金の5つを用意。投資信託4本は、利用者の運用残高に応じた信託報酬の還元として、WALLET ポイントやWow! スーパーポイントをプレゼントする「auの投資信託ポイントプログラム」を提供する。
auスマート・ベーシック(安定)は、4つのファンドへの投資を通じて、内外の債券、株式に分散して投資を行い、リスクの低減を図りつつ、信託財産の着実な成長と安定した収益の確保を目指す。資産クラスごとの運用は、概ね市場全体の動きを捉えることを目指し、資産配分比率は概ね、国内株式15%、国内債券65%、先進国株式5%、先進国債券15%。
auスマート・ベーシック(安定成長)は、6つのファンドへの投資を通じて、内外の債券、株式に分散して投資を行い、リスクの低減を図りつつ、信託財産の着実な成長と安定した収益の確保を目指す。資産クラスごとの運用は、概ね市場全体の動きを捉えることを目指し、資産配分比率は概ね、国内株式20%、国内債券50%、先進国株式10%、先進国債券10%、新興国株式5%、新興国債券5%とする。
auスマート・ベーシック(安定)、auスマート・ベーシック(安定成長)ともに、申込手数料0%(ノーロード)、信託報酬は年率0.2376%(税込)。 投資対象ファンドの運用管理費用を含めた実質的な運用管理費用は、年率0.378%(税込)。
auスマート・プライム(成長)は、複数のファンドへの投資を通じて、内外の債券、株式に分散して投資を行い、リスクの低減を図りつつ、信託財産の着実な成長と安定した収益の確保を目指す。投資するファンドは、パフォーマンスなどの定量情報や運用体制や運用哲学などの定性評価等を勘案して決定。資産配分比率は概ね、国内株式25%、国内債券35%、海外株式(新興国株式含む)20%、海外債券(新興国債券含む)20%を基本とし上下10%の範囲内で配分比率を調整する。
auスマート・プライム(高成長)は、複数のファンドへの投資を通じて、内外の債券、株式に分散して投資を行い、リスクの低減を図りつつ、信託財産の着実な成長と安定した収益の確保を目指す。投資するファンドは、パフォーマンスなどの定量情報や運用体制や運用哲学などの定性評価等を勘案して決定。資産配分比率は概ね、国内株式30%、国内債券20%、海外株式(新興国株式含む)35%、海外債券(新興国債券含む)15%を基本とし上下10%の範囲内で配分比率を調整する。
auスマート・プライム(成長)、auスマート・プライム(高成長)ともに、申込手数料0%(ノーロード)、信託報酬は年率0.8856%(税込)。auスマート・プライム(成長)の投資対象ファンドの運用管理費用を含めた実質的な運用管理費用は、年率1.17288%~1.41993%(税込)、auスマート・プライム(高成長)の投資対象ファンドの運用管理費用を含めた実質的な運用管理費用は、年率1.31409%~1.56141%(税込)。
三菱UFJ銀行確定拠出年金専用1年定期預金は、三菱UFJ銀行が提供する預入期間が1年の自動継続型定期預金。
KDDIが提供する銀行、決済、保険、資産形成サービス
KDDIのフィンテックへの取り組みとしては、2008年に設立した「じぶん銀行」が300万口座開設、2010年にサービス開始したプリペイドカード「au WALLET」の有効発行枚数2,310万枚(2018年3月同社決算発表)、2016年に「auの損害ほけん」「auの生命ほけん」「auのローン」を提供開始している。
KDDIアセットマネジメントは、「ニホンのお金を、働き者に。」を基本コンセプトに、デジタルネイティブ世代の若年層を中心とする利用者の資産形成をサポートする合弁会社として、KDDIと大和証券グループ本社の資本業務提携により、今年1月に設立された。