秋の味覚といえば、松茸。そして、魚なら秋刀魚が定番だ。でも、夏が旬だと言われる鱧も、初秋には脂が乗っていて美味しいのだとか。今回は、そんな「鱧と松茸」を堪能できる広尾の魚料理専門ビストロ「ビストロ シロ.」でぜいたくに秋の味覚を味わってきた。
特別なディナーに最適な一軒
「ビストロ シロ.」は、JR・東京メトロ日比谷線の恵比寿駅から徒歩14分、東京メトロ日比谷線の広尾駅からは徒歩17分の閑静な住宅街にある、大人の隠れ家的な落ち着いた雰囲気が素敵なレストラン。お客さんは周辺にお住まいの方々を中心に、誕生日・結婚記念日など、特別な日のディナーに利用する方も多いようだ。
オープンしてから約10年、「美味しいものを肩ひじをはらずに食べてもらいたい」という思いを念頭に季節ごとに旬な魚介類を使った料理が楽しめるお店で、10月2日からは「鱧と松茸」を使った秋のメニューを提供。鱧といえば、夏の味覚というイメージだが、じつは10月から11月にかけて2度目の旬を迎えるそうで、秋の代表的な味覚である松茸と合わせたメニューがラインナップする。
秋の味覚がふんだんに詰まった料理たち
最初にいただいたのは「鱧と松茸、はまぐりのポトフ 柚子の香り」(税別1,900円)。フタを開けると出汁と魚介、松茸の香りがフワ~っと漂ってきた。
鱧のアラなどと昆布でとった出汁をコンソメと合わせており、さらにはまぐりのエキスがたっぷり染み出ているため、スプーン1杯分を口にしただけですでにうっとりする美味しさ。丁寧に骨切りされた鱧の身はしっかりとした厚みがあり、脂も乗っているので食べ応えあり。鱧というと和食のさっぱりしたイメージがあったが、フレンチとの相性も抜群。柚子の香りも爽やかで、食べ応えがあると共にとても上品で優しい一皿だ。
続いては「鱧と松茸のフラン」(税別1,100円)。これまた、フタを開けると芳醇な香りが立ち昇ってきた。見た目もとても美しくフォトジェニックな一皿。大きめな松茸と鱧が存分に味わえる、あまりにもぜいたくな『洋風茶碗蒸し』だ。
そして、さらにたっぷりと鱧と松茸を堪能できるのが、「松茸を巻いた鱧のロースト すだち風味のブールブランソース」(税別2,200円)。肉厚な鱧に松茸を巻いて俵型になっているというゴージャスさ。
こちらは鱧の皮目をさっと炙り、皮の下にある旨みを引き出してから松茸を巻いているとのこと。香ばしい鱧と松茸の香り、フランス料理で魚料理のソースの定番となっているブールブランソースのコク深い味も加わって、とても舌の記憶に残る味だ。
脂が乗っていてもしつこくはない鱧の身は、こうしたバターを使った濃い目のソースと合わせることでより旨味が引き出されている感じ。最後はバゲットにソースをたっぷりつけて、隅々までお皿を堪能してしまった。ああ~本当にぜいたくな気分。ごちそうさまでした!
高級フレンチの佇まいもありつつ、敷居が高すぎず気取らずカジュアルに美味しいものをたっぷり楽しめる「ビストロ シロ.」。大事な記念日やちょっと贅沢したい日に予約してコース料理を満喫してもよし。土日祝日はランチタイム営業もあるので、是非お気軽に足を運んでみてほしい。
●information
「ビストロ シロ.」
東京都渋谷区広尾3-2-13 岡野ビル1F
営業時間:ディナー 月~日 18~23時(LO.21時30分)
ランチ 土・日・祝日 11時30分~15時(LO.14時)
定休日:不定休