米Mozillaは10月23日 (現地時間)、Webブラウザ「Firefox 63」の安定版の提供を開始した。Cookieを利用したクロスサイトトラッキングを防ぐ機能を強化、「プライバシーとセキュリティ」設定でユーザーが「コンテンツブロッキング」をコントロールできるようにした。
これまでもCookieに関して、Cookieとサイトデータをブロックする設定が用意されていたが、全てのCookieをブロックするとWebサイトの動作に影響が及ぶ可能性がある。Firefox 63では、サードパーティのトラッカーのCookieやストレージアクセスのみをブロックできるオプションを用意した。また、これまではトラッキング対策に関する設定が、「プライバシーとセキュリティ」設定において「Cookieとサイトデータ」と「トラッキング防止」に散らばっていたが、それらを「コンテンツブロッキング」にまとめて、ユーザーが一カ所でコントロールできるようにした。
ただし、現時点ではWebサイトの動作への影響にユーザーが慣れていないため、デフォルトではプライベートウインドウのみでトラッカーをブロックし、あとは追跡されたくないことを知らせる「Do Not Track」信号を送るのみの設定になっている。トラッカーの常時ブロックやトラッカーのCookieのブロックにはユーザーによる変更が必要だ。しばらくはデフォルト無効でテストしながら、2019年初め頃にサードパーティのCookieブロックをデフォルト有効に切り替えたいとしている。
コンテンツブロッキング機能の操作には、Webサイトを開いてる状態でURLボックス左端のアイコンからもアクセスできる。無効状態なら、ドロップダウンメニュー内のコンテンツブロッキング欄からブロックに追加することが可能。有効状態でWebサイトの動作がおかしい場合は、そのサイトに対するブロッキングを無効にできる。
他にも、新しい検索オプションとして米国で「Search Shortcuts」を提供し始めた。新規タブページのトップサイトに検索エンジンを固定して、トップサイトからも検索を実行できる。
プラットフォーム別では、Windowsの白/黒のアプリモードの設定に、Firefoxのデフォルトテーマがマッチするようになった。また、iOS版がiOS 12の新機能「Siriショートカット」に対応、音声コマンドで新しいタブを開けるようになった。これから数カ月の間にショートカットで利用できる機能を増やしていくという。