マーサージャパンは10月22日、2018年度グローバル年金指数ランキング「マーサー・メルボルン・グローバル年金指数」レポートとランキングを発表した。

日本は34カ国中29位、総合評価D

  • マーサー・メルボルン・グローバル年金指数ランキング(2018)

同調査では、対象国の年金制度に0から100までの評価が付けられ、「十分性(Adequacy)」「持続性(Sustainability)」「健全性(Integrity)」の平均評価値が指数として表される。指数自体は、各国の老後の所得保障制度における40以上の検証項目から構成され、評価付けされている。2018年の対象国は34カ国。

ランキング1位はオランダ(総合指数80.3)。2012年より6年連続で首位を維持していたデンマークを0.1ポイント差で抜き、7年ぶりの首位となった。以下、2位デンマーク(同80.2)、3位フィンランド(同74.5)、4位オーストラリア(同72.6)、5位スウェーデン(同72.5)と続いた。

日本は34カ国中29位(前年29位)と下位にとどまり、総合評価はDとなったが、総合指数は前年比4.7ポイント上昇の48.2と過去最高を更新した。

日本の総合指数が改善した要因について、マーサージャパン年金コンサルティング部門代表の北野信太郎氏は「年金制度への加入率の改善が挙げられており、平成30年5月まで段階的に施行された確定拠出年金(DC)法の改正、並びにiDeCoの普及等によるDC制度の活用が背景にある」と分析。その上で「現行でのDCへの拠出上限が年間66万円に抑えられていることなど、DCを老後の生活を支えるための軸として位置付けるためには、まだまだ改善の余地は残されている」と指摘している。

また同調査では、日本の制度をさらに改善するために可能な対策として、家計貯蓄額の増加、年金給付額の引き上げに伴う所得代替率の改善、退職給付の年金形式での受給を促す制約の導入、平均余命の延びに伴う公的年金制度の支給開始年齢のさらなる引き上げ、GDPに対する政府債務残高比の引き下げをあげている。