俳優の山田孝之と菅田将暉がW主演したテレビ朝日系ドラマ『dele』(7~9月放送)が、ギャラクシー賞のテレビ部門9月度月間賞を受賞した。

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    『dele』主演の菅田将暉(左)と山田孝之

パソコンやスマホに残された「デジタル遺品」がテーマの同作。依頼人の死後に遺留データを内密に消す仕事をしている主人公・坂上圭司(山田)と真柴祐太郎(菅田)が、任務を遂行しようとするたびにさまざまな問題に巻き込まれ、依頼人の人生とそこに隠された真相をひも解かねばならぬ状況へと追い込まれていくストーリーが展開された。

同賞では「デジタル遺品という題材の新鮮さ、ベストセラー作家、本多孝好が原案・脚本を手掛ける作品性を山田孝之、菅田将暉のW主演が見事に形にしていて、消したいものに宿る人間ドラマが格の違う面白さ。映画的な演出と音楽も素晴らしい。『おっさんずラブ』に続いて、見たことないドラマを連発するテレ朝深夜が冴えている」と絶賛している。

また、町の小さな産婦人科医院を舞台に清原果耶主演のNHKドラマ『透明なゆりかご』(7~9月放送)も受賞。こちらには「出産が死と隣り合わせであること、親子愛が当たり前ではないこと、子どもが受ける性暴力など、重たい現実を美化せず正面から描ききるという覚悟が出演者、制作陣から伝わってくる。シリアスな内容ながら、見た後は、どこか温かい気持ちになれるような希望もしっかり示されているのも良かった」と評価した。

さらに、NHK『のぞき見ドキュメント 100カメ「週刊少年ジャンプ」』(9月17日放送)も受賞。「集英社『少年ジャンプ』の編集部に100台のカメラを据えて日常のすべてを記録するという大胆な発想に度肝を抜かれる。オードリーの若林と春日のつぶやきも小気味良く、編集者たちの生態も予想を上回る面白さで突き抜けている。膨大な映像を編集してコンパクトにまとめた苦労は計り知れないが、ここに凝縮された人間模様の機微は秀逸である」と講評されている。

ギャラクシー賞は、放送批評懇談会が1963年に創設した、優秀番組・個人・団体を顕彰するもの。9月度は他にも、『テレメンタリー2018 検証・西日本豪雨』(広島ホームテレビ、愛媛朝日テレビ、九州朝日放送)が受賞した。