厚生労働省は10月18日、都内で開催した「イクメン推進シンポジウム2018」にて、「イクメン企業アワード2018」と「イクボスアワード2018」の表彰式を行った。イクメン企業アワードではサカタ製作所、日本ユニシス、大和ハウス工業が、イクボスアワードではダイエーと日本航空の社員がグランプリを受賞した。

  • イクメン企業アワード、グランプリは新潟の「町工場」 - その取り組みとは

    イクメン企業アワード2018とイクボスアワード2018の表彰式が行われた

2013年にはじまり今回で6回目となる「イクメン企業アワード」は、男性従業員の育児参加を積極的に促進しつつ、業務改善を図る企業を表彰するもの。直近1年間の男性従業員の育休取得率が、全国平均の3.14%を超えていることが受賞の条件となっている。

両立支援部門

イクメン企業アワードの両立支援部門でグランプリを受賞したサカタ製作所は、新潟県長岡市の製造業者。従業員数141名といういわゆる「地方の中小企業」ながら、男性社員の育休取得率が50%、平均取得日数も17日と、男性の育休取得を会社として積極的に促進している点が評価された。

また、男性の育休取得のハードルとなる「収入減への不安」についても、面談で細かなシミュレーションを実施することで不安の軽減に努めているという。育休を取得した社員や、その上司を評価する仕組みを作ったことで、男性の育休取得が業績向上や業務効率化につながっており、今回グランプリに選ばれた。

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    両立支援部門グランプリを受け取るサカタ製作所取締役、坂田啓氏

また、同じく同部門でグランプリを受賞した日本ユニシスは、男性社員の育休取得率は17%だが、平均取得日数が73日、最短でも27日と期間が非常に長い点が高く評価された。また、「配偶者出産時の特別休暇(有給)」も約4分の3の男性社員が利用している。

サカタ製作所と同じく、育休の取得前後にはダイバーシティ推進室、本人、その上司との3者面談を実施し、本人の不安払しょくや上司の理解促進も行っている。男性社員の育休取得だけでなく、全社員が残業ゼロの月を1カ月以上達成するなど、会社全体での働き方改革もすすんでいる。

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    両立支援部門グランプリを受け取る日本ユニシス代表取締役社長、平岡昭良氏

同部門で特別奨励賞を受賞したのは京葉銀行。育休の取得対象期間の延長や、育児時短勤務のトライアル実施、対象社員の上司への個別案内などにより、2014年度には2%だった男性の育休取得率が、2017年度には25%(うち管理職50%)となった。

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    京葉銀行の男性行員の育児参画推進施策

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    田辺三菱製薬の「プレパパ休暇」「イクパパ休暇」啓発ポスター

同じく特別奨励賞を受賞した田辺三菱製薬では、育休を取得した男性社員と役員がランチョンミーティングを実施。そこであがった声から、男性の出産前後休暇を「プレパパ休暇」、3歳までの育休を「イクパパ休暇」と命名した(どちらも有給、5日ずつ)。その結果、2017年度下期のイクパパ休暇の取得率は66%となったという。また、社用車での子どもの送迎を認め、チャイルドシートも設置するなど、男性の育児参加を応援する制度も評価された。

理解促進部門

今年新設された理解促進部門では、自社内での取り組みだけでなく、男性の育児参加を応援する商品やサービスを提供した企業を2社表彰した。

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    理解促進部門では、大和ハウス工業とCaSyが表彰された

グランプリの大和ハウス工業は、"ママのための家事動線"ではなく、"家族で家事をシェアするための動線"を考えた「家事シェアハウス」を開発。従来の概念にとらわれず、男性の家事・育児参加を促進する取り組みが評価された。

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    大和ハウス工業の「家事シェアハウス」

また、同部門で特別奨励賞に選ばれたのは、家事代行サービスを提供するCaSy。ITの活用によって利用料を業界平均の半額にまで下げ、忙しい子育て世帯の負担を減らすべく、スマートフォンからいつでもすぐに申し込める仕組みを作った。また、訪問家庭の男性に「ついでにできる」「1分でできる」といった、簡単な"ひと手間"アドバイスを行い、男性の家事参加を応援している。

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    CaSyが提供するのは、男性への"ひと手間"アドバイス

そのほかイクボスアワードでは、ダイエー四条畷店店長の岩切尚子さん、日本航空広報部長の北原宗明さんがグランプリを受賞。また、特別奨励賞として、リコージャパン山口支社事業戦略部部長の藤井隆弘さん、技研製作所東京総務部部門リーダーの蓑田美紀さんが表彰された。

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    イクボスアワードには4名が選ばれた