スマートフォンだけで仕事が完結してしまう現代。とはいえ、業種・職種によって仕事中に持ち運ぶ荷物の量は千差万別です。ペーパーレスも進んではいますが、依然として会議やプレゼン、営業などでは紙資料もなくなりません。今回は、形状・収納容量・デザインと多様化するビジネスバッグを女性向けも含めて紹介します。
まず、ビジネスバッグを選ぶポイントは
1. バッグ自体が軽い
2. 過剰なデザイン性がない
3. 色使いもシンプル
4. 取手が自分の手になじむ
5. 容量が自分に適している(PCや書類・パンフレット類も収納できるサイズ)
の5つです。
これらをもとに、オススメのビジネスバッグをピックアップしてみました。最初にご紹介するのは、やはりロングセラーを誇るビジネスバッグです。
ポーター
まさにロングセラーと呼ぶにふさわしい1983年発表のポーター/タンカーの3wayブリーフケース。米空軍のフライトジャケット「MA-1」をモチーフに開発されたオリジナル生地は、ナイロンツイル+ポリエステル綿+ナイロンタフタの3層構造です。
B4サイズが収納可能なビジネスサイズ。軽量で柔らかな素材感とオレンジ色の裏地が、カジュアルスタイルのビジネスパーソンにもオススメです。タンカーの金具パーツは経年変化するよう、あえて色が剥げる塗装がされています。使うほどにますます愛着がわきそうですね。
カラー展開はブラック、シルバーグレー、セージグリーン。身長が高めの現代の女性にも、ブラック以外ならオススメです。価格は28,620円。
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女性の活躍が進み、営業職でも女性の割合が増えています。しかし女性向けの機能的なビジネスバッグは、これまでマイナーな存在でした。今回ご紹介するのは、まさに「女性による女性のためのビジネストートバッグ」です。
10月上旬発売の営業職の女性に向けたスタンミートート。横型はB4サイズに、縦型はA4サイズに対応。通常は肩のハンドル部分に芯材をいれて丸く作りますが、この商品は平らな平手作りのため、重くても肩に食い込まず痛くなりません。
内装はPC収納や携帯2個持ちにも対応。リップや太いペンなどを差せるタック付きペン差しや、名刺や小物などが整理しやすいファスナー付きミニポケットなど、女性にうれしい機能が満載です。
カラー展開はブラック、ベージュ、グレー。写真は横型トートですが縦型もあります。 価格は横型トート20,520円、縦型トート19,440円。
マンハッタン ポーテージ ブラック レーベル
1983年に誕生し、赤いスカイラインのラベルはすっかりポピュラーとなりました。カジュアルなイメージが強いブランドですが、よりフォーマルなシーンにも対応できる「BLACK LABEL」が話題になっています。その中からオススメするのは、少し長いですが「BELT PKWY TWILL MESSENGER BRIEFCASE」です。
シンプルさに徹したミニマルなスクエア型メッセンジャーバッグ。ブラックレーベルらしく、ブラックレザーにエンボスロゴ、ファスナーの引き手にもブラックレザーを使用しています。
シンプルながら収納部分も充分。リフレクターもブラックと、大人のメンズには最適です。バックパック使用時の斜め掛け部分にメッセンジャーの歴史が刻まれているのは、まさにニューヨーク・クールと言えます。
2サイズ展開で、カラーはブラックと深いネイビー。価格も31,320円(Sサイズ)、33,480円(Mサイズ)と手ごろ。「A bag for everyone」の創業スピリッツが感じられるビジネスバッグです。
オロビアンコ
「初めてのビジネスバッグは何を選べばいいのでしょうか? 」。よく聞かれる質問です。その回答のひとつが、オロビアンコの定番ビジネスバッグです。若いビジネスマンから強い支持を受けるのは、オシャレな自己表現ができるからでしょう。スタイルはもちろん、カラーの豊富さ、職人技の凝ったディティールにも注目です。多くのコレクションの中からとくにオススメするのがこちらです。
「DOTTINA-G 01」は、その完成度の高いデザインから定番中の定番となっています。インポートに多いシンプルな内装、大量の書類も収納でき、開口部が三方に開くので出し入れ時のストレスはゼロ。
レザートリミングが全体の印象をひきしめ、ボトムにはレザーと鋲で堅牢さもしっかり意識されています。
カラーはビジネスバッグとしては多彩な5色展開。性別を超えた人気も納得です。価格は51,840円。
トゥミ
定番のイメージが強いトゥミのビジネスバッグですが、今回は日本のストリートブランドを代表するSOPHNET. との意外なコラボレーションコレクション「トゥミ×SOPHNET スリム・スリーウェイ・ブリーフ」をご紹介します。
フロント部分のファスナーポケットの一方には内部まで防水加工が施され、濡れた折り畳み傘や冷えたペットボトルも大丈夫。もう一方には、文具やこまごまとしたアイテムが整理しやすくなっています。
パッド付きのタブレット収納など、色々なビジネスユーズを想定し、柔軟ながらも機能性を兼ね備えた収納たっぷりの3wayとなっています。素材はSOPHNET.のブランドカラーであるネイビーのカラーバリスティックナイロン。裏地のカモフラージュプリントも楽しいですね。
コラボレーションならではのネームタグも限定感満載で、持つだけでやる気が出そうなビジネスバッグです。価格は66,960円。
今回もそれぞれキャラクターの違うブランドを紹介させて頂きました。予定よりスムースに運ぶ時もあれば問題続きだったりするのが「仕事」です。そしてそんな仕事に向かう時、最後に手にするのがバッグです。取手を握る際にぐっと力が入る、“やる気スイッチ付き”のお気に入りバッグを見つけてください。
※価格はすべて税込み。
筆者プロフィール: たかぎこういち
スタイルアドバイザー。タカギ&アソシエイツ代表。1952年大阪生まれ。若くして輸入服飾雑貨卸業を大阪で起業。その後1998年現フォリフォリジャパングループとの合弁会社取締役に就任して以来、アニヤ・ハインドマーチ、オロビアンコ、リモワ、マンハッタンポーテージ等の海外ファッションブランドを日本市場に紹介、成功させる。
また、「東京ガールズコレクション」「デザイナーズ&エージェント」など国内外のファッションイベントにも参画。現在は日本のビジネスパーソンのファッションリテラシー向上を目指して体系化したオリジナルの「6ポインツ・メソッド」を伝えるべく、「日経DUAL」「WEDGE Infinity」などへの記事執筆や文化服装学院、東京モード学園で講師としても活動中。
著書に「オロビアンコの奇跡」「LIKABLE GUY STYLING FILE」共に繊研新聞社刊「一流に見える服装術」日本実業出版社他。