説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iPhoneに記録される歩数は正確ですか?』という質問に答えます。
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はい、正確無比というには大げさですが、ある程度の信頼をおける数値であることは確かです。iPhone 5s以降のiPhoneには、「モーションコプロセッサ」と呼ばれる各種センサーを束ねる常時稼働の補助プロセッサが搭載されており、その働きにより歩数を計測し、記録し続けているからです。
iPhone 5sで登場したモーションコプロセッサ「M7」は、四則演算などコンピュータとしての一般的処理をになうCPUや描画用チップ(GPU)、メモリなどがセットになった「システムオンチップ(SoC)」に組み込まれる形で存在します。iPhone 5sのSoC「A7」のときは「M7」、iPhone 6(A8)のときは「M8」と改良/機能強化が図られ、最新のiPhone XS/XS Max/XR(A12 Bionic)には「M12」が収録されています。
M○モーションコプロセッサの消費電力はごくわずかで、iOSが稼働している間動作させ続けてもバッテリーのもちにほとんど影響を与えません。iPhoneを持ち歩くかぎり、歩数はつねにカウントされているのです。任意のタイミングで記録を開始/停止することはできませんが、『ヘルスケア』アプリで時間帯を調べることにより、ある程度正確な歩数を把握できます。
その歩数としてカウントされた数値が正確かどうかについては、モーションコプロセッサの性能と言い換えてもいいでしょう。M○には、足が地面に着いたときの振動を感知する加速度センサーのほか、本体の回転を認識する3軸ジャイロセンサーが搭載されており、iPhoneがどのような状況にあってもかなり正確な歩数を記録できます。iPhoneを手に持っても、バックに入れてもほとんど差は生じません。
気になる誤差ですが、筆者がiPhone Xで数日間にわたり測定したかぎりでは±1%以下に収まりました。歩きかたや歩幅で個人差が生じる可能性は残りますが、信頼していい精度であることは確かです。