日本能率協会は10月16日、「日本企業の経営課題2018調査結果(速報版)」を発表した。調査は7月25日~8月24日、同協会の法人会員並びに評議員会社1,379社、および全国の主要企業2,421社の経営者を対象に、郵送調査法で行われた。有効回答数は458社。
経営課題、「人材不足」が深刻化
「現在」の経営課題について聞いたところ、1位「収益性向上」(43.2%)、2位「人材の強化」(39.5%)、3位「売り上げ・シェア拡大」(36.2%)という結果に。
また、「今後」の経営に影響を及ぼす要因について聞くと、「非常に影響がある」と回答した割合が、「人材採用難」(31.2%)と「人件費高騰」(21.8%)で高く、いずれも、「やや影響がある」までを含めると、9割超が「影響がある」と回答。「現在」も「今後」も、経営にとって人材不足の問題が深刻化していることが浮き彫りとなった。
働き方改革、「残業」「有休」で成果あり
続いて、「働き方改革」に取り組んだ成果について調査を実施した。その結果、『成果が見られる計』(「成果が見られる」+「ある程度成果が見られる」)が高かった項目は、「残業時間の削減」(76.4%)と「有給休暇の取得促進」(74.5%)で、いずれも7割を超える結果に。
一方、「業務の効率化」については、過半数が「ある程度の成果が見られる」(51.1%)としつつも、『成果は見られない計』(「あまり成果は見られない」+「成果は見られない」)が4割近く(36.7%)を占めた。
また、『成果は見られない計』が4割を超えた項目は、「社員の満足度やモチベーションの向上」で47.5%、「人材採用力の強化」で56.1%となり、「社員の創造性の向上」では69.9%という高い割合を示す結果に。業務の効率化や社員の意欲・創造性向上など、生産性の向上に向けた成果には、さらなる取り組みが求められる状況であることがわかった。
9割超が副業・兼業を奨励せず
次に、働き方改革に関連して、副業・兼業へのスタンスを尋ねたところ、「奨励している」「ある程度奨励している」とする企業はわずか5.5%に留まり、「奨励していない」(72.0%)や「あまり奨励していない」(19.7%)という企業は9割を超えた。