アイドルグループ・V6の岡田准一が、19年にテレビ朝日系で放送される開局60周年記念5夜連続ドラマスペシャル『白い巨塔』で主演を務めることが17日、分かった。故・山崎豊子氏の不朽の名作を、再び映像化する。
同局のドラマに主演するのは、スペシャルドラマ『反乱のボヤージュ』(01年)以来18年ぶり、テレビドラマ出演も4年ぶりとなる岡田が演じるのは、腹腔鏡手術のスペシャリストとして医学界に名を馳せる、浪速大学医学部第一外科・准教授の財前五郎。これまで、田宮二郎、唐沢寿明といった名優たちが演じてきた役で、岡田は初めて医師役に挑む。
そんな主人公について、岡田は「現代にはなかなかいないキャラクター」と評し、「何かに慮っていないと生きづらい世の中にあって、財前は絶対の自信と揺るがない信念を持ち続け、野心を抱きながらギラギラとエネルギッシュに生きています。医師として、この"白い巨塔"を登っていこうとあがき、もがく男なのだと思います」と語る。
また、「『やるからには財前五郎を味わい尽くそう』という気持ちで、監督を信じてついていきたいです」とのこと。「撮影は始まったばかりですが、現場はとても楽しいです」と明かし、「難しいシーンばかりでどのシーンも気が抜けないのですが、他の出演者の方々もどんな芝居をするのか模索されたり、楽しみながら撮影に臨んでいらっしゃるのを感じています」とも話す。
原作は1963年に発表されたが、今作では物語の設定を2019年に置きかえ、現代の最新医療ならではの、今までにない新たな『白い巨塔』となる。
岡田は「医学の進歩にともなって、今の時代だからこそできる『白い巨塔』になっていると思いますので、そういった部分にもご期待ください」と呼び掛けながら、「『白い巨塔』という作品を制作することも、僕が財前五郎という人物を演じることも、"今やること"に何らかの意味や意義があると思います。それを探し、見つけながら、監督はじめ、みんなでエネルギーをぶつけて『白い巨塔』と戦っていますので、ぜひ出来上がりを期待してお待ちください!」と決意を語っている。
同局が5夜連続のドラマスペシャルを制作・放送するのは、開局45周年スペシャルドラマ『弟』以来、15年ぶり。紫綬褒章、旭日小綬章を受賞した巨匠・鶴橋康夫氏を監督に、脚本には日本アカデミー賞を受賞した羽原大介氏らを迎え、第一夜では、欲望渦巻く教授選が描かれる。
テレビ朝日の船津浩一プロデューサーは、「変わるもの、そして変わらないもの。両者が融合し、作り上げられる新たな『白い巨塔』は、必ずや今の視聴者に深い共感と感動を与えるものになる、と確信します」と自信をのぞかせる。そして「財前五郎を演じられる俳優は、この人しかいない!と、岡田准一さんにオファーしたところ、『やるからにはこの難役を徹底的に演じ切りたい』という心強いお言葉とともに、ご快諾いただきました」と明かした。