国民年金保険料の後納制度が平成30年9月30日で終了しました。後納制度とは、もともと国民年金の徴収時効は納付期限から2年です。

時効で未納になった期間分の国民年金は支給はされませんが、この後納制度を利用すれば、5年以内に納め忘れた期間(納付・免除以外)や未加入期間があった場合、後納することで将来受け取る年金額が増える制度です

今回は、自営業者やフリーランスで働く人が、将来受け取る年金を増やす方法を紹介します。

自営業の人、フリーランス、フリーター、学生など

国民年金第1号被保険者は、国民年金のみ加入の場合、将来受給できるのは基礎年金部分のみです。平成30年4月分からの年金額は満額で77万9300円です。将来受け取る年金額を少しでも増やしたいときは、「付加年金」がおすすめです。

「付加年金」とは、毎月の年金額に400円プラスして納めることで、年金受取時に200円×付加保険料納付月数がもらえます。例えば付加年金を40年納めた場合は、200円×480月(40年)=9万6000円が基礎年金に上乗せされて支給されます。

国民年金基金

会社員には国民年金に上乗せされる形で厚生年金がありますが、自営業者やフリーランスにも上乗せできる制度が、国民年金基金です。終身年金と受給期間が定まっている確定年金から選択して、自分なりに年金を組み立てることができます。

掛金の上限は月6万8000円、年間81万6000円まで掛けることができます。また、国民年金基金の掛金は、全額所得控除になるので節税になりますが、付加年金との併用はできない点に注意が必要です。

小規模企業共済

小規模企業の経営者や役員、個人事業主などが廃業や退職時の生活資金などのために積み立てる退職金制度です。月々の掛金は1,000円~7万円まで500円単位で自由に設定ができ、加入後も掛金を増減することができます。

また、掛金は全額所得控除の対象になるので、節税効果があります。共済金の受け取り方は、「一括」、「分割」、「一括と分割の併用」ができます。また、国民年金基金や個人型確定拠出年金(iDeCo)との併用が可能です。

個人型確定拠出年金(iDeCo)

個人型確定拠出年金(iDeCo愛称イデコ)とは、日本在住の20歳以上60歳未満の人であれば、原則誰でも加入することができる年金制度です。毎月一定額を積み立てるとともに、あらかじめ用意されている定期預金・保険・投資信託といった金融商品を自分で選んで運用し、60歳以降に「一括」、「終身年金」、「一括と終身年金の併用」で受け取ります。

積み立てた年金額は自分の運用次第で決まり、60歳になるまで引き出すことはできないので注意しましょう。掛金は、国民年基金や付加年金保険料と合わせて、6万8,000円が限度となり、掛金の全額が所得控除の対象となります。

個人年金保険

生命保険会社などが取り扱っている年金保険です。預貯金で積み立てるよりも、個人年金保険で積み立てた方が有利になることもあります。所得税の個人年金保険料税制的確特約を付加した場合には、一般の生命保険料控除とは別枠で個人年金保険料の所得控除を受けることができます。2012年1月1日以降に加入した場合は、所得税が最大4万円、住民税が2万8,000円の控除となります。

自営業者やフリーランスで働く人は、会社員と比べると、定年がなく、長く働き続けることはできますが、だからと言って生涯現役を貫けるかと言えば、そうとも言い切れません。

働けなくなり、収入が国民年金の基礎年金部分だけでは、どうしても不足してしまう年金を現役で働けるうちに何かしらの制度を利用して不足分を補う必要があります。今回紹介したものはそれぞれに特徴があるので、自分に合った方法を選択、併用して備えていきましょう。

丸山晴美(まるやま はるみ)

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外国語の専門学校を卒業後、旅行会社、フリーター、会社員、コンビニ店長へと転職。22歳で節約に目覚め、年収が350万円に満たないころ、1年で200万円を貯める。26歳でマンションを購入。2001年に節約アドバイザ―として独立。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの資格を取得し、お金の管理、運用のアドバイスなどを手掛け、TV、雑誌などで幅広く活躍している