米Adobeは10月15日 (現地時間)、同社のクリエイター向けイベント「Adobe MAX 2018」で、Creative Cloudの新製品「Premiere Rush CC」を発表した。キャプチャや取り込み、編集・加工、共有/公開まで、全てを容易に完了できるようにまとめたオールインワンのビデオ編集アプリケーションだ。ソーシャルメディアユーザーやビデオブロガー、YouTuberなどを主なターゲットにしている。同日よりPC版 (Windows、Mac)とiOS版の提供を開始。2019年にAndroid版をリリースする。

Premiere Rushには、自由にカスタマイズできるモーショングラフィックステンプレート、カラー調整、Adobe Senseiによる自動ダッキングなど、Premiere Pro、After Effects、Auditionからの技術が盛り込まれており、シンプルな編集プロセスで、すばやく簡単に高品質な映像とオーディオのビデオを作成できる。

  • オールインワン、クロスデバイスの「Rush CC」

    PC、タブレット、スマートフォンが同じ機能を備え、クロスデバイスのビデオ制作を実現

様々なデバイスを使ってプロジェクトを進められるようにデザインされているのも特徴の1つだ。デスクトップ版とモバイル版のアプリが同じ機能を持ち、そして全てのプロジェクトと編集内容をクラウドに自動同期できる。例えば、サーフィンのポイントを紹介するビデオを作成するなら、まずiPhoneを使ってビーチの風景を撮影してプロジェクトを開始し、サーフィンをしながらアクションカメラで撮影、その映像を取り込んだPCでプロジェクトを開いてサーフィン・シーンを組み合わせて仕上げるといったことが可能。

共有/公開用にYouTube、Facebook、Instagram、Behanceなどへのアップロードがプリセットされており、それらにはワンクリックでそれぞれにコンテンツを自動的に最適化してアップロードできる。

Premiere Rushは、Adobeが今年6月に「Project Rush」としてプレビュー公開したもので、小人数グループによるベータテストが良好だったため短期間での正式公開になった。今後については、Android版のほか、ビデオの早回し/スローなど速度コントロール、パフォーマンスの向上、マルチプラットフォーム対応の向上などを計画している。

価格は、Premiere Rush CC単体プランの個人版が月額980円、グループ版は月額1,980円。それらの他、コンプリートプラン、学生版およびPremiere Pro CCの単体プランに含まれる。また、デスクトップ版、モバイル版のフル機能を無償で使用できるPremiere Rush CCスタータープランも用意している。プロジェクトに制限はないが、書き出しできるプロジェクトが3つまでとなっている。