ファーウェイ・ジャパンが発表したSIMフリースマートフォン「HUAWEI nova 3」(以下、nova 3)。54,800円(税別)のミドルレンジ機ですが、上位モデルと同様のSoCを搭載したほか、カラーとモノクロのデュアルカメラを搭載したメインカメラに加え、インカメラもデュアルカメラを採用しているという、充実した機能が特徴です。
発表を機に、ファーウェイの日本・韓国リージョンプレジデント、呉波氏が報道陣のインタビューに応じ、nova 3の特徴について語りました。
―― ファーウェイには「P」シリーズという人気のスマートフォンがあります。Pシリーズとnovaシリーズは、どのような違いと考えればよいでしょうか。
呉波氏:ターゲットとなる消費者層が違います。novaは若者、ファッションやオシャレに興味があるような層です。P20はプロレベルのカメラ機能があり、ライカと共同開発したカメラを搭載しています。nova 3のセールスポイントはAIカメラです。価格も異なりますし、プロ並みの写真を撮りたいという消費者であればP20を選択するでしょう。
ほどほどの写真効果が得られ、かつ、よりお手ごろな価格で手に入れたいというのであれば、nova 3になると思います。そうした点もあって、nova 3を採用したMVNOの数が、P20のときよりも多くなったのでしょう。
呉波氏:nova 3には防水性能もありませんし、FeliCaも搭載していません。コストパフォーマンスを重視し、この価格帯でどういう機能を選択して提供するかを検討し、最終的にnova 3を日本市場に投入することを決めました。
たとえば、SIMフリー向けのタブレット製品で、防水とフルセグ・ワンセグを搭載した製品も販売しています。販売数量を見ると、防水機能をはじめとした日本仕様がないタブレットに及びませんでした。価格差もありますが、大きくはありません。
キャリアを通して販売する場合、防水・フルセグをつけると販売数が伸びます。当社の目標はコストパフォーマンスの高い製品で、防水、FeliCaを搭載した物を届けることです。
―― 他社のスマートフォンには、FeliCa搭載のSIMフリーモデルがあります。ファーウェイの対応としてはどうでしょう。
呉波氏:FeliCaはNFC(Type A/B)とは違う技術です。現在、FeliCaに対応させることによって、安定した供給が保証できない恐れがあります。そのため、同じ技術を使って同時にNFCとFeliCaに対応できるものを探しています。こうした方法を取ったほうが、日本の消費者に対して継続的にお手ごろな価格で(FeliCa対応の)スマホを提供できると考えています。
―― au VoLTE対応の状況はいかがでしょう。
呉波氏:au VoLTE実現のためには、auネットワークとの接続試験が必要です。現在、auのラボを使うための日程調整をしています。対応を宣言しているので責任があります。次の発表会で、au VoLTE対応のスケジュールを紹介したいと思います。この発表会は12月頭の予定です。
―― ファーウェイのアプリストア「App Gallery」について、アプリ開発者のメリットはどのようなものでしょう。
呉波氏:すでに日本の開発者たちと協力関係を結んでいて、やりとりが始まっています。ちょうど1年前の今ぐらいの時期から準備を進めてきました。
日本の開発者にとってメリットの1つは、毎月、App Galleryの一番いい場所にバナー広告を設置できる点や、テーマに沿って日本発の優れたアプリやゲームを紹介できる点です。世界のファーウェイ端末のユーザーに対して訴求できます。他社のストアでやろうとすると、数万から数十万ドルの宣伝費用がかかるでしょう。
呉波氏:2つ目は、日本語のマッチングサービスを提供することです。日本の開発者にとって利便性の高いアプリストアになります。日本以外にも、世界137の国や地域で、数億人のファーウェイ端末のユーザーが日本のアプリを利用できるようになります。
日本のゲーム会社の上位10社のうち、すでに7社と提携の話をしています。トップレベルのコンテンツを届けていきたいと考えています。
―― ヨドバシAkibaに続いてビックカメラにもショップインショップを開設しますが、今後の展開は?
呉波氏:量販店でのショップインショップは、全国に拡大したいと考えていますが、日本のSIMフリー市場の様子を見ながらになると思います。一気に拡大して経営状況が悪化しないように、慎重に拡大していきます。
ヨドバシカメラ、ビックカメラともに良好な関係を築けています。これから、両社の屋外店舗の広告はファーウェイのものに変わっていきます。こういった広告枠は、お金を払えば良いというものでもなく、販売を認めてもらって初めて利用できるようになりました。
―― ありがとうございました。