皆さんは、「マター」というビジネス用語をご存知でしょうか? 「これって、誰マター?」なんて上司から聞かれても、 意味が分からなければ答えられないでしょう。そこで今回は、ビジネス用語「マター」の意味と使い方について解説します。
■「マター」の意味
ビジネス用語としての「マター」は、「担当」「管轄」「責任」といった意味で使われます。「○○マター」のように、人名や役職、部署名などの後ろに付けて使用することによって、誰(どこの部署)がその仕事を担当しているのかを、はっきりと示すことができます。
例えば、「この件は、鈴木マターですね」と言えば、「この件は、鈴木さんの担当ですね」となります。
■「○○マター」の使い方と例文
「担当」の意味合いで
- この物件は、山田マターでお願いします。
- これ、誰マターだっけ?
- この件は、部下の鈴木マタ―になります。
「管轄」の意味合いで
- そこはA班じゃなく、B班マターだね。
- その地域は、営業三課マタ―です。
「責任」の意味合いで
- この件は、部長マターで進めてください。
- この問題は、完全に社長マターですね。
■使い方の注意
目上の人には敬称を
「○○マター」の○○の部分には、呼び捨ての名前を入れるのが一般的です。そのため、マターは同僚や部下に対して使う社内用語であって、基本的に、目上の人や社外の人に対して使用するものではありません。
しかしながら、ビジネスシーンでは、用件をより短くスマートに話すことが求められることから、状況によっては、目上の人の名前を入れて使うこともあるでしょう。そんな時は、「○○さんマター」「○○課長マター」のように、敬称を付けることを忘れてはいけません。目上の人のことを、うっかり呼び捨てしてしまうことのないよう気を付けましょう。
多用しないこと
マターは、誰が担当なのか、どこの管轄か、責任者は誰なのかをはっきりと言い表すための用語です。そのため、「それは山田マターです」「開発部マターの案件なので」「これは佐々木マターになります」などと多用すると、「私の担当じゃない」「うちの管轄ではない」「私の責任ではない」と、他に押し付けているような印象を与えてしまいがちです。特に管理職の人が多用すると、責任逃れをしているように思われることも。部下からの信頼を失うことにもなりかねませんので、マターの使い過ぎには注意しましょう。
近年、多くのカタカナ用語が登場し、とりわけビジネスシーンでは積極的に使われる傾向にあります。しかしながら、使い方を一歩間違えれば「デキない人」というレッテルを貼られてしまう可能性も。「マター」はとても便利な言葉です。その意味や使い方をしっかりと覚え、適した場面で上手に使うよう心がけましょう。