「スーパ―銭湯アイドル」として、歌番組だけでなく情報番組やバラエティなどでも話題沸騰中のイケメンムード歌謡コーラスグループ「純烈」の新曲「プロポーズ」(2018年8月29日発売/日本クラウン)が出荷10万枚を越え、9月末日付でレコード協会へゴールドディスクの申請をすることになった。
これを受けて、純烈に熱き声援を送っているファンに向けた感謝のイベントが、10月5日に東京ドームシティ・ラクーアガーデンステージにて開催された。
「純烈」とは、『百獣戦隊ガオレンジャー』(2001年)のガオブラック/牛込草太郎役の酒井一圭がリーダーを務め、『忍風戦隊ハリケンジャー』(2002年)のカブトライジャー/霞一甲役・白川裕二郎、『仮面ライダー龍騎』(2002年)の仮面ライダーゾルダ/北岡秀一役・小田井涼平、『仮面ライダーアギト』(2001年)の仮面ライダーギルス/葦原涼役・友井雄亮という「スーパー戦隊シリーズ」「仮面ライダーシリーズ」で活躍したイケメン特撮ヒーローたちに、後上翔太を加えた5人組のグループである。
2007年に結成した純烈は、およそ3年間にわたるボイストレーニングや下積みを経て、2010年に「涙の銀座線」でメジャーデビュー。その後、スーパー銭湯や健康ランドなどで地道に営業活動を行い、奥さま層を中心にじわじわと人気と知名度を高めていった。彼らの掲げたスローガンには「夢は紅白! 親孝行」というものがあるが、長年の夢であった年末のNHK『紅白歌合戦』出場もそろそろ射程距離に入ったか?と思われるほどに勢いが感じられる今日このごろである。
今回の記念イベントが行なわれた総合アミューズメント施設・ラクーアは、東京ドームシティアトラクションズの前身となる「後楽園ゆうえんち」があった場所。歴代の戦隊ヒーローたちはみな後楽園ゆうえんち「野外劇場」や「スカイシアター」そして現在の「東京ドームシティ・シアターGロッソ」で大勢の子どもたちに夢と感動を与えるアクションショーを繰り広げていた。今回のイベントでは、観覧無料のミニライブが行なわれると同時に、来場者すべてを対象にした握手会を開催。かつて「後楽園ゆうえんちで、僕と握手!」と呼びかけていたヒーロー俳優たちが、ふたたび大勢のファンと「握手」をするという感動的なシチュエーションが見られた。また、スペシャルゲストとして『百獣戦隊ガオレンジャー』でガオレッド/獅子走を演じた金子昇、『忍風戦隊ハリケンジャー』でハリケンブルー/野乃七海を演じた長澤奈央がステージにかけつけ、かつてのヒーロー仲間を祝福している。
ラクーアの野外ステージはあいにくの雨模様ではあったが、リーダー酒井一圭は曇天を吹き飛ばすかのような軽妙かつ華麗なトークで観客を魅了。「17年前のガオレンジャーショー、16年前のハリケンジャーショー、ご覧になられた方どれくらいいます?」と、かつて「スカイシアター」でスーパー戦隊ショーを観ていたファンたちとの"再会"を心から喜んでおり、まさに感無量といった面持ちで「ガオアクセス! ハッ!」とガオブラックの変身ポーズを披露した。
コーラスを担当する小田井涼平は、「僕も16年前には仮面ライダーゾルダを演じておりました。最近ステージでやっている変身ポーズはかなり簡素化していまして、ですから今回は本意気でやりたいと思います!」と、久々にゾルダの変身ポーズをフルアクションで行なった。
リードボーカルを務め、酒井と同じくかつての後楽園「スカイシアター」に強い愛着を持つ白川裕二郎は「迅雷シノビチェンジ!」のかけ声とともに、カブトライジャーの変身ポーズを決めてみせた。
コーラスと振付を担当している友井雄亮は、さっそうと仮面ライダーギルスへの変身ポーズを披露。客席にギルスのフィギュアを手にしている観客を見つけ、笑顔を向けた。
メンバーでただ一人、ヒーローを演じた経験のない後上翔太(コーラス)は、かつて後楽園にほど近い神楽坂にある東京理科大学に通っていたが、純烈に参加するため中退したという経緯を持っている。「メンバーでは唯一の、普通の地球人を担当しています(笑)」と挨拶した後上には、女性ファンからの黄色い声援がひっきりなしに飛んでいた。
ミニライブでは、新曲「プロポーズ」1コーラスハーフバージョンの後、Vシネマ『忍風戦隊ハリケンジャー10YEARS AFTER』(2013年)の劇中で「純烈」が歌った「忍び哀」が披露された。2番と3番の間奏にさしかかったとき、長澤奈央がセリフを言いながらステージに登場し、客席にひときわ大きな歓声がわきあがった。
長澤に続き、金子昇もステージに登壇。金子は「純烈のステージを生で観るのは2、3年ぶりなんですけれど、そのころと比べてもパワーもオーラもすごくなっている」と、純烈メンバーそれぞれの成長を称え、さらには「プロポーズ」売上10万枚突破を祝して、金子と長澤から酒井と白川に花束を手渡すという感動的な場面が見られた。
酒井は「純烈」として活動してきた11年を振り返りつつ、「ガオレンジャーの放送が終わった後、金子くんはドーンと売れていってね。やっぱり、前を走ってくれる仲間がいてくれるからこそ、追いかけることができた」と、放送当時から現在までよき友人であり、よきライバルとして共に芸能界で頑張ってきたことを回想し、しみじみと語った。
続いて、せっかく「戦隊ヒーロー」の聖地・東京ドームシティに来たということで、全員で『百獣戦隊ガオレンジャー』主題歌「ガオレンジャー吼えろ!」、『忍風戦隊ハリケンジャー』主題歌「ハリケンジャー参上!」をそれぞれ1コーラス歌うことになった。これのために金子と白川は、当時着用していた実際の衣装を身に着けて来た上に、酒井と小田井にもガオジャケットを用意。後上には金子のイラスト(ガオレッド)がプリントされたTシャツ、そして友井にはなぜかボーリングのピンを模した着ぐるみが提供され、なんともカオスなビジュアルで2戦隊の主題歌が熱唱された。「ハリケンジャー参上!」の歌唱中には、配信アプリ「東映特撮ファンクラブ」の取材記者として来ていたハリケンイエロー/尾藤吼太役・山本康平がステージに上り、まさかのうれしいサプライズに客席の特撮ファンからどよめきが起こった。
最後は(先ほどの衣装のままで)純烈メンバーによる「プロポーズ」フルコーラス歌唱でミニライブがしめくくられた。歌に入る前にマイクを握った酒井は「夢は紅白!ということでやってまいりましたが、この夢が叶った後の目標も考えています。いくつかあるのですが、ひとつここで発表させていただきます。それは"東京ドーム公演"!」と、かけがえのないメンバーと共に、さらに大きな夢に向かって飛躍していくことを力強く宣言した。
ステージを終えた直後のマスコミ会見で酒井は、「特撮ヒーロー時代からのファンの方と、今の純烈を応援してくださる方を合わせられる場所は、ここしかないですよ。後楽園で純烈の歌を歌える日が来ればいいなと思って、これまで頑張ってきました。うれしかったです」と、デビュー当時の懐かしい場所に"帰ってきた"ことへの感慨をあらわにした。また小田井は「後楽園はスーパー戦隊の方たちに思い出深い地なんですけれど、僕や友井くんのような仮面ライダー組だと熊本県の三井グリーンランド(2007年"グリーンランド"に名称変更)に思い入れがあるので、今度は熊本でライブを(笑)」と、さらなる意欲を燃やしていた。
また酒井が「僕らのころは野外の『スカイシアター』で戦隊ヒーローショーをやっていましたが、今は室内の『シアターGロッソ』なんですよね。いつか純烈で『Gロッソ』を貸し切りにして、僕たちが変身するヒーローショー込みの歌謡ショーをやってみたいですね。いろんなヒーローの楽しみ方がありますから」と今後の抱負を語ったところ、金子も「1部ヒーローショー、2部歌謡ショー、3部は握手会で、マストでやりましょう! 2年に1度くらいやりたいよね」と乗り気になる場面が見られた。さらに酒井は「ヒーロー時代から比べて20kgくらい体重が増えましたが、もともとガオブラックの牛込草太郎は元力士という設定ですので、今の俺のほうがいい演技ができるんじゃないか」と笑顔で語り、まだまだヒーローもいけるぞという意欲を示しつつ「『紅白』出場を目指して、これからも一歩ずつ純烈のメンバー全員で頑張っていきたい」としめくくっていた。