ダイキン工業(以下ダイキン)は10月4日、ルームエアコン「うるさら 7」(Rシリーズ)の新モデル発表会を開催しました。発売は11月1日予定で、適用畳数が6畳用から29畳用まで11モデルを展開します。価格はすべてオープンで、推定市場価格は24万円前後(税別)から43万円前後(税別)。
Rシリーズは、ダイキンの家庭用ルームエアコンのフラッグシップ機。外にある室外機の周囲から水分子を集めて室内を加湿する「無給水加湿」や、気流を真下に向けて送る「垂直気流」などが特徴です。
Rシリーズの2017年モデルに引き続き、2018年モデルも人工知能(AI)を搭載。2018年モデルでは、室内の温度や湿度、壁からの輻射熱(ふくしゃねつ)のセンシングに加えて、リモコンの操作履歴をもとに、ユーザーの好みの温度や湿度環境をAIが解析し、それに応じた運転制御を自動で行えるようになりました。2017年モデルまでの自動制御は温度を優先していたのに対して、2018年モデルは湿度にも注目。快適な温度と湿度になるよう、運転制御を行います。
また、熱交換機に"除湿弁"を搭載したことで、除湿のとき室内を冷やしてしまう冷媒の流れを制御できるようになりました。室温に影響を与えず、除湿だけを効率的に行えます。仕組みはいわゆる「再熱除湿」と呼ばれる方式(除湿した冷たい空気を暖めて部屋に送る除湿方法の1つ)と類似したものですが、空気を暖める必要はなく、冷媒量のコントロールによって温度低下を防ぐことから、消費電力を抑えられるのがメリットです。
2018年モデルは、「温度と湿度を同時に下げる」「温度変化を抑えながら湿度を下げる」などの操作をAIが自動で選定する「新・ハイブリッド除湿」によって、省エネでも快適な室内環境を実現します。ダイキンによると、1Wあたりの除湿量は従来機よりも2倍に向上しているとのことです。
2018年モデルは、デザインもより洗練されたものに改善されています。フラップ周囲をラウンド形状で覆うことで、フラップが開いた状態でも美しさを保てるデザインになりました。輻射熱を検知する新搭載の可動型センサーも、稼働時だけ露出する機構のため外観を崩しません。従来は別売の外付けオプションだった無線LAN接続アダプターも標準搭載となり、本体に内蔵されました。外観を損ねる要素をなくし、機能だけじゃない、トータルで"快適な空間を作る"という製品コンセプトがデザイン面でも表現されています。
このほか、地震が起こっても落下を防ぐために、室内機の裏側をネジで固定する"アンダーフィット構造"を採用し、安全性を高めました。室外機に水が浸入してショートを防ぐための構造をはじめ、風や猛暑など、過酷な状況を想定した300以上の試験に耐えうる構造設計が採用されているのも特長です。
Rシリーズは2018年モデルから、無線LANが標準搭載になりました。スマートフォンと連携した遠隔操作や、スマートスピーカーによる音声操作も可能です。
ダイキンによると、無線LAN搭載はあくまでインフラの1つ。エアコンをインターネットにつなぐことで何を実現できるか、暮らしをどのように変えられるのかはまだわからないといいます。これからの時代、さまざまな機器同士がつながっていくのは当たり前。Rシリーズは、空調専業メーカーの威信をかけるフラッグシップモデル。10年先を見据えた先行投資が行われているという印象を受けました。