大切な人と少しでも長く一緒にすごしたい、あるいは同棲して生活費用を節約したい。
さまざまな理由から同棲を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
とはいえ、初めて同棲をスタートするうえで「同棲ってどれくらいお金がかかるんだろう……?」「費用の分担はどうすればいいの?」など気になることも多いですよね。
この記事では同棲に必要な初期費用や月々の生活費の相場、費用分担の仕方や同棲にあたってチェックすべき注意点をお伝えします。
同棲する際の初期費用はいくらくらいかかるの?
新たにお部屋を借りて同棲する場合の初期費用について項目ごとにみていきましょう。
不動産賃貸に関する費用新たにお部屋を借りて住み始めるまでには、以下の費用が必要です。
敷金:家賃の0か月分~3か月程度が相場。首都圏では約6割が1か月分。
礼金:敷金同様、家賃の0か月分~3か月程度が相場。首都圏では約8割が1か月分。
仲介手数料:家賃の約1か月分が相場。
前払い家賃:家賃の0.7か月分~1.7か月分が相場ですが、諸条件によって計算方法は異なります。また、プラスで共益費が発生する場合があります。
火災保険料、鍵の交換費用:各2万円前後が相場。たとえば東京23区で最も人口の多い世田谷区における1DK・1LDK・2Kの平均家賃は11.1万円です。
したがって世田谷区で同棲をスタートする場合、敷金、礼金、仲介手数料、前払い家賃をすべて1か月と想定し、火災保険料と鍵の交換費用を各2万円で計算すると、45.7万円の初期費用がかかります。
新しく同棲用の部屋を借りる場合は双方の家から新居まで2人分の転居が必要ですので、引っ越し費用も想定しておかなければなりません。
引っ越し費用の相場は転居先までの距離や荷物の量によっても変わりますので一概にはいえませんが、早い段階から相見積もりをとるなどして大まかな金額を把握しておくとよいでしょう。
家具家電、生活用品を揃える費用同棲を機に家財道具を買い換える場合、新たに購入する費用も必要です。
とくに冷蔵庫や洗濯機は一人暮らし用の小さな製品では同棲生活に不十分な可能性があるので、購入すべき家電や家具のリストアップも大切です。
スムーズな同棲生活をスタートするためには、ある程度まとまった初期費用が必要です。予算や分担についてパートナーとよく相談して準備を進めましょう。
いよいよ同棲開始! 毎月かかる費用はどれくらい?
円滑な同棲生活を続けるためには、毎月の固定費について把握しておくことも重要です。計画的に管理しましょう。
家賃家賃は毎月必ずかかる固定費です。収入に波がある場合は、高いときの収入ではなく最低限の収入を基準に物件を決めましょう。
注意すべきは、更新費用が必要な物件です。複数年の賃貸契約を結んでいて引き続きこの物件に住みたい、という場合に更新費用がかかることがあります。契約書に記載されてあり説明もされるので、入居前に確認しておきましょう。
光熱費季節による変動が大きい光熱費。在宅時間の長さなどによっても異なりますが、総務省統計局が発表した2017年の家計調査報告によると、40歳未満の場合、2人以上の世帯における水道光熱費は平均約1.8万円でした。
(家計調査報告(家計収支編)平成29年(2017年)II 世帯属性別の家計収支(二人以上の世帯))
総務省の統計『電話通信料の推移と世帯支出に占める割合』によると2016年の電話通信料のうち、移動電話通信料(携帯電話通信料、PHS通信料及び自動車電話通信料(データ通信(パケット等)料を含む))は月間平均約8,025円でした。
このほかにインターネット回線やポケットWi-Fiなどを契約する場合はさらに通信費が必要です。
(電話通信料の推移と世帯支出に占める割合)
2017年の家計調査報告によれば40歳未満の2人以上の世帯における食費平均は月に約6.4万円。
2人の生活スタイルが異なる場合は外食費と自宅で食べる費用をどう仕分けするかという問題が起こる可能性があるので、事前に相談しておきましょう。
(家計調査報告(家計収支編)平成29年(2017年)II 世帯属性別の家計収支(二人以上の世帯))
2017年の統計によると、2人以上の世帯における家具・家事用品の平均金額は月間約9,163円です。
(家計調査報告(家計収支編)平成29年(2017年)II 世帯属性別の家計収支(二人以上の世帯))
このように、毎月生活費がかかってきますので初期費用だけに目を向けるのではなく、生活し始めてからの費用についても考えておきましょう。
2人で分担するならどの費用?
同棲をするにあたって、きちんと決めておきたいのが費用分担についてです。せっかく同棲を始めるなら、お金のことで揉めたくないですよね。
「家賃は彼で、食費は私」と費目ごとに分担する方法もありますが、固定費と変動費で分けてしまうと、どちらかだけに負担が偏りケンカの種になってしまうこともあります。
そこでおすすめなのが、新しく共用の口座や財布を作りあらかじめ決めた負担割合に応じた金額を入金、諸費用はそこから支払う家計分担方法です。
会社から家賃補助が出る場合や荷物の量が極端に異なる場合など、完全な折半では不公平に感じてしまうケースもあるので、話し合いで負担割合を決めましょう。支払いは共有の口座から引き落とされるようにして管理するのがよいでしょう。
光熱費家賃の支払いと同じく、共有の口座で管理しましょう。
食費個々の食費は各自で支払い、パートナーと一緒に食べる食費は共用分から出すようにするとスムーズです。
日用品費・その他消耗品は履歴が残るようにネットで購入したり、領収書管理アプリを活用するなどして工夫すると管理がしやすくなります。
ただし、金額だけで割合を決めるのではなく、家事負担がどちらかに偏るなら負担が少ない側が費用を多く負担するなどといった方法でバランスをとりましょう。
同棲するならどのような物件がよいか大切な人との同棲ということで気持ちが高ぶり、冷静な判断ができなくなってしまうかもしれません。物件を見に行く前に、以下2点を話し合いましょう。
・無理のない家賃(万が一、片方に収入がなくなっても数か月は支払いができる金額)を決める。
・南向き、駅からの距離、広さなど、こだわりは何か、お互いの譲れない要望を伝え合う。
また、同棲におすすめな物件はカップルの状況によって異なりますが、以下のポイントはクリアしたものがよいでしょう。
・2人暮らしも可能な設備・広さに作られている物件である(※1LDK、2Kといった物件から2人暮らしにも対応できる広さの物件が探せます)
・お風呂とトイレが別になっている
・寝室と居間のように、分けられる部屋が最低2つある
大切な人と一緒に住む家だからこそ、心地よく過ごせる物件を選ぶことが大切です。
費用をおさえるコツ・しっかりチェックしておきたいポイントここからは「こんなはずではなかった!」という事態を避けるため、同棲を始めるうえで注意しておきたいことをお伝えします。費用を抑えるためには何をしたらよいか、いくつかのポイントをご紹介します。
初期費用をおさえるマイナビ賃貸で条件から物件を検索できるほか、『仲介手数料無料』『フリーレント』のように、カテゴリーごとの特集から探すこともできます。こういった機能を活用することで、初期費用を抑えられる物件が見つかるかもしれません。また、そのような物件は『現況空き』といってすぐに内見ができる状態であることも多いため、実際に見て検討できます。
条件は少し広めに探そうインターネットで「絞り込み検索」をするとき、多くの人が
・最寄り駅
・駅から徒歩何分以内
・間取り
などでソートします。
「駅からできるだけ近い方がいい」と思うのは当然ですが、「このくらいだといいな」と感じる範囲からもう少し広げて検索してみると家賃節約につながる可能性があります。
徒歩7分と8分では、体感時間としてほとんど変わらないにもかかわらず、検索範囲を広げるだけで家賃が下がったり、部屋が広くなることもあるのです。
パートナーと意見が食い違った場合は、条件の譲り合いもときには必要かもしれません。
物件選びの注意点合鍵作成が難しい物件セキュリティレベルが高い鍵を利用している場合、街の鍵屋さんでは複製できないことが多いです。管理会社を通じて作成することもできますが高額なので、両親に合鍵を渡したいといった場合や、よく失くしてしまう方は注意が必要です。
物件を選ぶときにチェックしたいポイントトイレの音漏れ「消音機能なんてついていないし、トイレに入る音が恥ずかしい……」
同棲をはじめる女性に多い悩みです。トイレとリビングの間にパイプスペースやキッチンなど、音を通しにくい設備があると、音漏れは少なくすみます。
このように、毎月生活費がかかってきますので初期費用だけに目を向けるのではなく、生活し始めてからの費用についても考えておきましょう。
結婚も考えているなら「まずは一緒に暮らし始めて、近々結婚し、できれば子どもも欲しいなあ」と考えているなら、子ども不可の物件は避けましょう。出産と引っ越しが重なると、費用だけでなく体力や時間など、さまざまな負担が重なる可能性が生じます。
おわりに(同棲にかかる費用と物件選びのコツ)お互いの生活スタイルについて、しっかり納得したうえで新生活を整える準備ができれば、その後の同棲生活もより楽しいものになるでしょう。特に住まいは、気軽に変更というわけにはいかないので、じっくり意見を出し合って検討することが大切です。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。