俳優の織田裕二がこのほど、主演を務めるフジテレビ系月9ドラマ『SUITS/スーツ』(8日スタート、毎週月曜21:00~ ※初回30分拡大)の取材に応じた。
このドラマは、アメリカでシーズン8まで続いている大ヒットドラマ『SUITS』が原作。敏腕弁護士の甲斐正午(織田)が、天才フリーターの鈴木大貴(中島裕翔)とタッグを組んで、さまざまな訴訟を解決していく。
原作を見て「正直言うと、あんまりハマんなかったんです(笑)」と本音を漏らした織田。それでも「まぁ仕事なんで見ていて、5話くらいに主人公に初めて共感した回があって、そこから一気にスイッチが入って、トントン見たんです」と、虜になっていったそうだ。
原作での天才フリーター役に当たるマイク・ロス(パトリック・J・アダムス)について、「(『踊る大捜査線』で自身が演じた)青島みたいな格好してたら、そりゃあ弁護士としては相手にしてもらえないんですよ」と表現する織田。日本版の今作でその役に当たる大貴を演じる中島とバディを組むことについて、自身を『踊る―』で柳葉敏郎が演じた室井に置き換えて関係性を意識したかと問われると、「それはないですけど、言ってみればそんなもんだと思います」と語った。
中島に「おせっかいしちゃう」
これまでの役者人生の中で、先輩俳優からアドバイスを受けたのは、『新説・三億円事件』(91年)で共演した山崎努からの1回だけだったそう。それだけに、中島に対しても、本当はあまり助言しない姿勢でいたいというが、「僕はおせっかいしちゃう時があります。もう(中島の年齢の)25歳は返ってこないから『もったいねぇ~』って思うんで」という。
「あの頃の男の子って何がしたいか、だいたい手にとって分かるんですよ(笑)」と、中島の気持ちを理解しているという織田。「彼は僕なんかよりよっぽどスマートで賢いんで」と評しながら、「基本的に彼の役だから彼が思ったように作ればいと思ってるんです。その中で、遠慮されるほうが嫌ですね。引っかかってることがあれば相談すればいいじゃんって思う」と、先輩として受け止める姿勢を示した。
プロフェッショナルを求める
今作で演じる甲斐は、傲慢(ごうまん)な性格が災いするものの、難解な訴訟を次々に解決していくという役柄だが、「僕が頼むならこういう人にお願いしたい」と、人間性よりも結果を出すことを重視するとのこと。それは、自身が『振り返れば奴がいる』(93年)で演じた冷酷な天才外科医・司馬江太郎にも通じるところがあるようで、「手術を成功させることに重きを置いてるんで、司馬先生にかかりたいといつも思ってます(笑)。医者であろうが弁護士であろうが、プロフェッショナルを求めるんです」と話した。
長いキャリアの中で、初めて連ドラの撮影スタイルの現場を見たのは、先日まで再放送もされた『東京ラブストーリー』(91年、鈴木保奈美主演)だったそうだが、当時は「男が主役のドラマなんて『は?』って言われる時代だった」と回想。そんな中でフジテレビに対し、『探偵物語』(松田優作主演)などの作品名を出して男性主役の作品を作りたいとアピールし、並々ならぬ思いで臨んだ『振り返れば奴がいる』(石黒賢とW主演)の大ヒットにつながったことも明かしてくれた。
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