WOWOW・TBS・テレビ東京 3局横断 Paraviオリジナルドラマ『tourist』。このドラマは、悩みを抱えた三人の女性が、バンコク、台北、ホーチミンという各旅先で、旅を続けているミステリアスな男性・天久真(三浦春馬)と出会い、本当の自分を見つけ出していくヒューマンドラマ。第1話のバンコク篇では水川あさみが、第2話の台北篇では池田エライザがそれぞれ出演しており、第3話のホーチミン篇には尾野真千子が登場する。

尾野が演じた立花カオルというキャラクターは、離婚調停中の夫との思い出の地でもあるホーチミンを訪れ、ホーチミンで愛人(成海璃子)と浮気旅行中の夫(バカリズム)を追跡するという役どころ。ある夜に泥酔したホーチミンのクラブで真と最悪の出会いを果たす。翌日に偶然再会してお詫びにと食事に誘った真とともに、夫と歩いた場所を訪ね、思い出の上書きをすることになる。

尾野真千子

――浮気中の夫を追跡するというカオルの行動に共感しましたか?

分からないですね(笑)。いや、共感しなくもないし、あんまりしたくもないと思いますけど、どっちもあり得ますね。ただ、個人的にカオルの行動は理解できません。なのでこの人はこういう行動を取ったんだと、自分に思い込ませながら演じました。

――演じるにあたり、意識したことは?

ホーチミンでの撮影ということだったので、ホーチミンの空気とか風、街や人をちゃんと感じたかった、ということが一番でした。それと真役の三浦さんとは、目で会話ができればと思ってホーチミンに入りました。

――演技する際に"目で会話をする"ことを重視している?

ちょっとした時に"目で会話をする"ということは、自分にとって必要な要素なんです。言葉だけだと、社交辞令や色んなことが混ざっている気がして。(役柄としての)彼や相手を見て、初めてお芝居が生まれてくるという思いはありますね。

――実際、三浦さんと共演してみていかがでしたか?

撮影の合間でそういった"目の会話"ができればと思って彼を見ていて。真との関係で心掛けたことは特にないですが、そこから何か会話が生まれたらいいなとは思っていました。彼は、一生懸命に、"僕はここにいる"ということをすごく訴えている人だなと感じましたね。スタッフさんに対してもそうですし、色んなところを見ていて、すごく目が動いている印象を持ちました。

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――バカリズムさんと成海璃子さんは?

バカリズムさんは安定していましたね。何かを投げ掛けたら必ず返ってくる、それはお笑いならではの返しだったりもしますが、ちゃんとお話に合った形で返してくれましたね。自分のセリフの意味をすごく感じとっている方で、本当に真面目だな~と思いました。成海さんは、独特の間合いだったり、彼女独特の目線が本当に心地良くてお芝居をしていた気がします。

――今回のドラマは全編ホーチミンでの撮影でしたね。

ホーチミンに行けて良かった、とただただ思いましたね。自分の国じゃないところでお芝居が出来たということは、ちょっとした達成感も感じました。それにホーチミンの人はすごく優しくて(笑)。現場を手伝ってくださった方々がいて、こんなにも優しくなれたらいいな~と思えるぐらい本当に優しかったんですよ。日本は"オ・モ・テ・ナ・シ"かもしれないけど、ある意味、そこまでの優しさがあるのかな? と。にじみ出てくるほどの優しさを感じましたね。

――ドラマのタイトルでもある『tourist』にちなみ、旅行にまつわるエピソードを教えて下さい。

初めて海外に行ったのが、映画祭で行ったイタリアなんです。その時にマネージャーとご飯を外へ食べに行ったんですが、ご飯を食べたりお酒を飲んだりしていたら24時になり、街の鐘が鳴りました。それがすごく印象に残っていて。英語はしゃべれないし、海外はあまり好きではなかったんですが、あの鐘の音を聞いただけですごく気分が良くなって、その街の雰囲気を感じることってすごく素敵なことだと思えるようになりました。ただ、イタリアの料理はあまり美味しくなかったですね。日本の方が舌に合っています(笑)。


ドラマ『tourist』第3話ホーチミン篇は、10月7日(24:30~)にWOWOWプライムで放送(無料放送)。

写真提供:Paravi