東京メトロは3日、全駅のリニューアルを進める銀座線のトレンドエリアである青山一丁目駅・外苑前駅のデザインが決定したと発表した。2018年10月からリニューアル工事に順次着手し、2020年度の完了を予定している。
青山一丁目駅・外苑前駅は、トレンドエリアのコンセプトである「未来への出発点」をベースに、2016年9月から2017年2月まで実施した銀座線デザインコンペの入賞作品のアイデアや応募者の思いも生かしつつ、各駅の個性や特徴を表現したデザインとしている。
青山一丁目駅のデザインコンセプトは「優雅な街並み」。かつて徳川家康の重臣、青山家の大名屋敷があった青山一丁目には、いまでも青山霊園の桜並木など当時の面影が残っている。桜並木と気品ある街並みをモチーフとしたデザインを取り入れることで、優雅さが感じられる空間を演出するという。
改札口(北青山方面改札)はシンプルな仕上げをベースとしながらも、天井仕上げに桜の木目調の素材を採用し、空間にアクセントを加えた。ホームの床はタイルを組み合わせることで石畳を表現し、柱は桜の木肌を模した艶があるデザインとしている。
外苑前駅のデザインコンセプトは「スポーツの杜」。銀杏並木や多くの自然に囲まれ、競技場など有名な観光スポットを有することから、駅全体において「神宮外苑に集う人々の中に、爽やかさを感じる」デザインを取り入れた。改札口(神宮球場方面改札)は艶のある明るい天井に、トラックをモチーフとした天井のラインでスポーツの軽やかさを演出。垂直に伸びる柱の半鏡面スリットは行き交う人々を映し出し、空間に彩りを添える。
ホームは「スポーツの杜」の再現を意図してデザインされ、神宮球場出口側の壁面に杜の競技場のファサードをイメージした木目調素材、銀杏並木出口側の壁面に銀杏をかたどった意匠の素材、床にグラウンドをイメージした土肌調のタイルを採用した。ホームに建ち並ぶ柱は銀杏並木を表現している。
銀座線各駅のデザインは、東京メトロを利用することそのものが魅力的な「経験」になることを考え、デザインされている。東京メトロの電車に乗り、駅を利用することによって、心地良さや喜び、感動や発見などがもたらされること、東京メトロを舞台としてすべての利用者にとって魅力的な物語がつくられることをイメージし、トレンドエリアおよび各駅としての「望ましい経験」を設定したという。