大雨や台風、地震、噴火などで被災した際に受けられる支援制度があります。今回は自然災害時に知っておきたい支援制度をご紹介します。

住まいの確保・再建のための支援

自宅が全壊、大規模半壊、半壊した場合、被害認定基準を元に、市町村が調査して被災者に交付する「被災による被害の程度を証明する書面」(罹災証明書)を交付してもらうことで、各種被災者支援制度の適用を受けることができます。

住まいを建て替えたり、取得したりしたい場合は、独立行政法人住宅金融支援機構からの融資だけではなく、災害復興支援融資(建設)、災害復興住宅融資(新築購入、中古住宅(リ・ユース住宅)購入)、災害復興住宅融資(補修)、住宅金融支援機構融資の返済方法の変更といった支援制度があります。

例えば、「罹災証明書」の交付を受けている人が、災害復興住宅支援(新築住宅購入、中古住宅(リ・ユース住宅)の購入)の場合に、自分が居住するためまたは、親などが住むための住宅について、住宅部分の床面積などの一定の基準と要件を満たした場合に、独立行政法人住宅金融支援機構から融資を受けられる制度です。

また、買い換えではなく、補修をする場合も、「罹災証明書」があれば、「災害復興住宅融資」(補修)が、独立行政法人住宅金融支援機構から融資を受けることができます。

災害によって住宅を失い、現に困窮していることが明らかな場合には、公営住宅への入居ができます。公営住宅の家賃は収入に応じて設定されますが、必要があると認められる場合は、一定期間家賃が減免されることがあります。入居資格等は公営住宅を整備する地方公共団体(都道府県、市町村)で別に定めている場合がありますので、困ったときは各市町村に問い合わせをしましょう。

経済・生活面での支援

災害弔慰金

災害により死亡された方のご遺族に対して、災害弔慰金が支給されます。

・生計維持者が死亡した場合:市町村条例で定める額(500万円以下)を支給
・その他の者が死亡した場合:市町村条例で定める額(250万円以下)を支給

支給の範囲・順位は
1.配偶者
2.子
3.父母
4.孫
5.祖父母
対象となる災害は、自然災害で1市町村において住居が5世帯以上滅失した災害等。問い合わせ先 市町村。

災害障害見舞金

災害による負傷、疾病で精神または身体に著しい障害が出た場合、災害弔慰金の支給等に関する法律に基づき、災害障害見舞金が支給されます。

・生計維持者が重度の障害を受けた場合:市町村条例で定める額(250万円以下)を支給
・その他の者が重度の障害を受けた場合:市町村条例で定める額(125万円以下)を支給

対象となる災害は、自然災害で1市町村において住居が5世帯以上滅失した災害等。問い合わせ先は市町村。

被災者生活再建支援制度

災害により居住する住宅が全壊するなど、生活基盤に著しい被害を受けた世帯に対して支援金が支給されます。

被災者生活再建支援制度

災害により居住する住宅が全壊するなど、生活基盤に著しい被害を受けた世帯に対して支援金が支給されます。支給額は、基礎支援金、加算支援金の合計額となります世帯人数が1人の場合は、各該当欄の金額が3/4になります)。問い合わせ先は、都道府県、市町村。

子供への災害援助

教科書等の無性給与(災害救助法)

災害救助法に基づく学用品の給付は、災害により学用品を失った児童・生徒に対して、教科書や教材、文房具、通学用品が支給されます。

小・中学生の就学援助措置

被災により、就学が困難な児童・生徒の保護者を対象に、就学に必要な学用品費、新入学用品費、通学費、校外活動費、学校給食費等を援助します。

高等学校授業料等減免措置

災害による経済的な理由によって授業料等の納付が困難な生徒を対象に、地方公共団体の長が減免を必要とすると認めた場合に、授業料、受講料、入学料及び入学者選抜手数料等の徴収猶予または、減免、免除されます。

大学等授業料等減免措置

災害により家計が急変した等の理由により授業料等の納付が困難な学生を対象に、各学校(大学、短期大学、大学院、高等専門学校)において、在籍する学校にて、授業料の減額、免除を行います。

他にも、被災者に対して、都道府県や市町村において、各自治体が所管する公共料金や施設使用料、保育料等が軽減・免除されることがありまた、日本放送協会では、受信契約の住所の建物が半壊・半焼または床上浸水以上程度の被害を受けた場合に、放送受信料が一定期間免除されることがあります。

大雨や台風、地震などの自然災害は、いつ我が身に起こるかわからないからこそ、日頃から防災意識を持ちつつ常に備えることも大切です。そして災害に遭わないことが一番ですが、万が一身に降りかかってしまった場合には、支援制度を活用して一日も早い復旧を目指したいものです。

丸山晴美(まるやま はるみ)

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外国語の専門学校を卒業後、旅行会社、フリーター、会社員、コンビニ店長へと転職。22歳で節約に目覚め、年収が350万円に満たないころ、1年で200万円を貯める。26歳でマンションを購入。2001年に節約アドバイザ―として独立。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの資格を取得し、お金の管理、運用のアドバイスなどを手掛け、TV、雑誌などで幅広く活躍している