フォトキナ開幕前日のプレスカンファレンスで注目の新製品を多数発表したのが富士フイルムです。

なかでも注目なのが、44×33mmという大型の5,140万画素CMOSセンサーを採用した中判ミラーレスカメラ「GFX 50R」。2017年に発売した「GFX 50S」と同等の画質性能を持ちながら、レンジファインダーカメラのような美しいスタイルに仕上げつつ、125gもの軽量化を図ったのが特徴です。ちなみに、製品型番末尾の「R」は「レンジファインダー」、「S」は「シューティング・スタイル」の頭文字を取ったものだそう。同社のファンであれば、中判フィルムカメラ「GW」シリーズを思い出すかもしれません。国内でも11月中に発売予定とのことです。

  • 富士フイルムの飯田年久氏が発表した中判デジタルカメラ「GFX 50R」(左)。右は、フィルムカメラ「GW690シリーズ」で、同じDNAが流れるカメラであることをアピール

  • GFX 50Rに最適な薄型レンズとして、パンケーキタイプの「GF50mmF3.5 R LM WR」を紹介。2019年に登場予定とのこと

GFX 50Rの興奮が冷めやらぬうちに開発発表されたのが、GFXシリーズの上位機種として登場する予定の「GFX 100M concept(仮称)」です。こちらは、文字通り1億画素を実現した中判カメラで、1万ドル(約114万円)前後の価格で2019年春の発売を目標にしているとのこと。中判カメラ初の4K動画撮影機能や、ボディ内手ぶれ補正も搭載しています。

  • 続いて紹介されたのが、世界初の1億画素の中判ミラーレスカメラ「GFX 100M concept(仮称)」。像面位相差画素を備えることや、中判でありながらセンサー駆動のボディ内方式手ぶれ補正を搭載するなど、性能も高い

  • Xシリーズ関連では、日本でも10月25日に発売予定のXシリーズ用超望遠レンズ「XF200mmF2R LM OIS WR」を紹介。同社がテレビカメラ用レンズで培った超精密研磨技術を用い、高性能化を図ったと説明

  • さらに、F1.0というシリーズで一番明るい標準レンズ「XF33mmF1 R WR」も紹介。開発中の製品だが、「超大口径ながらちゃんとオートフォーカスが作動する」と紹介した

  • PCとカメラをつないでの「テザー撮影」で使うアプリケーションとして、「Capture One」が富士フイルムのカメラに対応すると発表。会場にざわめきが起こったほどで、プロの世界では定番となっているアプリだ

  • RAW現像やテザー撮影はもちろんのこと、富士フイルム自慢の「フィルムシミュレーション」にも対応すると発表。独自のフィルム的な色再現プロファイルが使えるのは魅力的だ

  • 2019年登場予定のプロジェクターのモックアップを手にする飯田氏。ヘッド部分が2軸回転式でさまざまな方向に投影でき、画面の縦映写も可能だという。設置も平置きに加え、縦置きが可能だ

最新ミラーレスに負けぬ人気の「チェキ」

フォトキナのブースでは、APS-C型センサー採用のミラーレス「X」シリーズと、中判ミラーレス「GFX」シリーズを中心とした展示をしていました。意外だったのは、インスタントカメラ「Instax」シリーズ(日本ではチェキ)もかなりのブース面積を使って展開していたこと。フォトキナ全体の中でも若い女性の来場者が多いのが印象的でした。

  • GFXとXシリーズのタッチ&トライコーナーは大人気で、どの時間もごった返していた

  • Xシリーズ用のフジノンレンズをズラリ陳列。右上のテレビ用ズームレンズなど、業務用機器で培った技術が用いられている

  • GFXシリーズのボディや交換レンズも展示されていた

  • 1億画素モデル「GFX 100M Concept」のモックアップ。縦位置グリップ一体型のボディとすることでシャシーを強化し、1億画素の中判センサーを動かしても精度の高いボディとしている

  • GFX 100M Conceptの試作機で撮影した開発者の記念写真を展示。撮影は、なんとマグナムフォトのMark Power氏という豪華さだ

  • スクエアタイプのインスタントカメラ「SQ6」のカラバリを並べた展示

  • 初代モデルから最新モデルまで、チェキの歴史を展示するコーナーも用意していた

  • 縮小しつつあるフィルムカメラのなかで、チェキは2014年から急激に売り上げを伸ばしていることを解説。今年は1,000万台に達する勢いだという