ディスカヴァー・トゥエンティワンはこのほど、『「精神科医の禅僧」が教える 心と身体の正しい休め方』(税別1,500円)を発売した。
同書の著者は、精神科医でありながら、禅僧でもある川野泰周氏。川野氏によると、疲れにはゆっくり休むことで解消できる肉体的疲労と、「脳の疲弊」にあたる心の疲れがあるという。脳をゆるやかに酷使し続けていると、集中力ややる気、睡眠の質などが低下し、「朝起きた瞬間からもう疲れている」状態になるとのこと。
同氏は、このように脳が疲弊してしまう原因は、集中することが複数になる「マルチタスク」にあると指摘。「いろいろなことを考えながら作業をする」「考え事や悩み事が頭から離れない」といった状態も同じことが言えるとしている。そして、パソコンやインターネット、SNSなどに囲まれた日常生活は「無意識のマルチタスク」の連続と言えるという。
脳が疲弊すると、自律神経が乱れるほか、下痢や便秘、せき、じんましんなどの症状が出る場合があるとのこと。そのほか、最近増えている「失感情症」は、注意資源(何かに注意を向けるための大元にあたる部分)を自分の内側に向けられないことで起こると言われているという。
一方、一つのことに集中する「シングルタスク」を行うと、脳がリフレッシュされ元気になるとのこと。坐禅のように「今、ここにある、たった一つの作業に意識を集中させる」ことをマインドフルネスと呼ぶが、これはシングルタスクを習慣づけるためのとてもいい方法でもあるとしている。
同書では、最新科学と禅の精神から導き出した、誰でも簡単にできる疲れを取りのぞく41の方法を紹介。内容は「食事でマインドフルネスを実践する」「最高の睡眠を手に入れる」「コミュニケーションを無毒化する」など。