第31回東京国際映画祭(10月25日~11月3日)のラインナップ発表記者会見が25日、都内で行われ、コンペティション部門への出品が決定した『半世界』の阪本順治監督が出席。主演の稲垣吾郎の魅力を語った。

  • 稲垣吾郎主演『半世界』

    『半世界』場面写真
    (C)2018「半世界」FILM PARTNERS (C)2018 TIFF

阪本監督の完全オリジナル作品となる同作は、40歳目前という年齢の男3人の視点を通じて、誰もが通るある地点の葛藤と、家族や友人との絆、希望を描くヒューマンドラマ。炭焼き職人の紘(こう)役を稲垣、故郷に帰還する紘のかつての同級生の瑛介役を長谷川博己、紘と瑛介の同級生の光彦役を渋川清彦が演じる。

阪本監督は、同作誕生の経緯について「映画化できなかった企画がいくつかあって、1つは同級生たちの話、1つは炭焼き職人の話。この2本をいつか映画化したいなと思っていて、プラス稲垣吾郎くんが土の匂いのする役をやったらおもしろいんじゃないかと思って、2つのあらすじを1つにまとめて稲垣くんにオファーした」と説明。稲垣とは今回が初タッグだが以前にも会ったことはあったそうで「普段の彼は、テレビで見るような姿ではなく非常に素朴さを感じた。たんたんと炭を焼いている土着の人間が実は似合うんだと予感としてわかっていた」と稲垣の印象を語った。

  • 『半世界』阪本順治監督
  • 阪本順治監督

そして、「衣装合わせのときに、ニット帽をかぶってもらって、ワークシャツを着てもらって、安全靴を履いてもらった瞬間に、これはいけると」と衣装合わせ時に確信。「本人も『こんな自分見るの初めて』って言ってました」と明かし、また、「普段の(稲垣)と役柄が違っても彼の表現力で乗り越えてくれる、自分のものにしてくれると思っていました」と語った。

さらに、「より一層その役に入ってもらうために、炭焼きの練習やチェーンソーで木を切る練習をしていただいて、職人としての姿を彼の中で事前にすべて理解した上でやってもらった。現場で『もう少し』ということはなく、完全に自分のものにしてもらった」と稲垣の役作りについて説明。「その飛び幅はファンの人たちからしたらけっこうなものかもしれませんが、僕はいつも通りやってもらえばやり切れるものだと思っていました。本当に素朴な人ですから、土着の役をやれると思っていました」と稲垣の“素朴”な魅力を語った。

  • 第31回東京国際映画祭ラインナップ発表記者会見

会見には、同映画祭のアンバサダーに決定した松岡茉優、『半世界』とともにコンペティション部門に選出された『愛がなんだ』の今泉力哉監督と主演の岸井ゆきの、アニメーション特集『アニメーション監督 湯浅政明の世界』より湯浅政明監督も登壇。司会は笠井信輔アナウンサーが務めた。

  • 第31回東京国際映画祭ラインナップ発表記者会見
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  • 第31回東京国際映画祭ラインナップ発表記者会見
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