アデコは9月19日、無期雇用派遣に関するアンケート調査の結果を発表した。調査は9月8日~10日、全国の有期雇用の派遣社員500名(男性206名、女性294名)、および企業・団体の派遣社員採用担当者500名(上場・非上場各250名)を対象に、インターネットで行われた。
派遣社員が無期転換に期待すること
有期雇用の派遣社員500名に対し、「今後、無期雇用の派遣社員として働きたいと思いますか」と質問したところ、57.4%が「そう思う」(「そう思う」18.4%+「どちらかといえばそう思う」39.0%)と回答した。
無期雇用の派遣社員として働きたいと思う理由を尋ねると、「契約の更新を気にせず安定して働けそうだから」(74.9%)や、「同じ派遣先で働き続けることができそうだから」(58.9%)といった回答が高い割合を示した。
また、無期雇用になることで派遣会社に期待するものを聞くと、断トツで「時給(給与)のアップ」(74.9%)が最多に。現在の時給を不満に思っている派遣社員の割合は59.4%に達しており、その理由として、「仕事内容に見合った金額ではないから」(47.5%)が最多だった。
改正派遣法、派遣社員43%が知らず
9月30日に開始する「改正派遣法」の認知度を調べたところ、43.0%が「まったく知らない」ことが明らかに。「詳しくは知らないが、改正されることは知っている」という人が最も多く44.6%、「改正される内容を含め、よく知っている」という人は、12.4%だった。
また、「改正派遣法において、派遣元事業主には自社の派遣社員に対するキャリアアップ支援を行うことが義務付けられました。あなたは、将来のご自身の働き方に関して具体的なプランもしくは目標がありますか」という質問に対しては、65.0%が「ない」または「あまりない」と回答。さらに、「あなたが派遣元事業主に最も期待するキャリアアップ措置は、次のうちどれですか」と聞いたところ、46.0%の派遣社員が「(期待するものは)特にない」と回答した。
採用担当者7割が派遣料金値上げを受け入れ
次に、企業で派遣社員の採用に携わっている社員500名に対して調査を実施した。まず、無期雇用派遣に対する認知度を調べたところ、80.6%が「知っている」と回答した。
また、無期雇用の派遣社員の採用については、68.5%が「採用したいと」と回答しており、その理由について尋ねると、「安定的な労働力が確保できるから」(79.3%)という意見が最も多かった。
続いて、無期雇用派遣によって派遣料金が値上げされる場合、どれくらいの値上げ幅であれば受け入れるか質問したところ、その幅に差はあるものの、「1割増し程度まで」(27.8%)や「2割増し程度まで」(27.2%)を中心に、約7割が値上げを受け入れると回答。「値上げは受け入れられない」と答えた担当者は、19.8%だった。