漫画家の久保ミツロウ、コラムニストの能町みね子、音楽プロデューサーのヒャダインが出演するフジテレビのバラエティ番組『久保みねヒャダこじらせナイト』。昨年9月に地上波放送を終了してから、月1回のトークイベント『―こじらせライブ』をコツコツと重ね、半年後にまさかの番組復活を果たしたかと思えば、9月1日には初の地方公演を仙台で開催し、2,000人のファンで大盛況となった。
ピンチをチャンスに…どころか、さらなる飛躍にしてしまった久保みねヒャダの3人。仙台公演の終了後に直撃すると、「他力本願」「騙されたままでいてほしい」「ゲストの千葉雄大を生で見れたから」と、極めて冷静に受け止めていた――。
乃木坂46公演とぶつかって…
――初めての「ホールツアー」で地方公演となりましたが、感想はいかがでしたか?
久保:「ホールツアー」と言っておきながら、まだ仙台しか決まってなくて…。ちょうど乃木坂46の全国ツアー宮城公演とぶつかって、仙台の駅にあった看板に「全国行脚」と書いてあったり、ファンの子が垂れ幕の写真を撮ったりしているのを見て、やっぱり経済力とタレント力の差ってこうやってでるんだなって思いましたね…。それでもこうやって私たちのところにも来てくれるのはありがたいです。
ヒャダイン:2,000人ですよ! 2,000人ってすごいですよ!
能町:3階まで埋まってましたから、すごいですよね。
久保:ボイストレーニングもしてないのに、(カラオケであらゆる曲をCharaっぽく歌う「Chara選手権」で)歌とか聴かせて…
能町:ホント、素人芸もいいところですよね(笑)
ヒャダイン:“素人のど自慢”ですよ(笑)
久保:「こんなのでお金もらえない…」と自虐を言いそうになったけど、「いかん、この目を覚ませてはいけない」とも思う。
能町:みんな騙されたままでいてほしい。
ヒャダイン:でも、千葉雄大を生で見れたというバリューもありますから。
久保:そうですよね。千葉くんと楽しくお話ができるというのを、みんなと共有できたのが良かったと思います。
――お客さんに聞いたら、今回が『久保みねヒャダこじらせライブ』初めての人が多かったですよね。
能町:やっぱり東京までわざわざ来るって、大変なんでしょうね。
久保:分かる。私も長崎にいたから、テレビの収録が来るわけがないと思ってた。「来てもゆうゆ(岩井由紀子)だよ」と思ってましたらね(笑)
ヒャダイン:地方公演に行く理由って、そこにあるんだぁと思いましたよね。痛感しました。
久保:結構Twitterで「うちの県にも来てください」とかすごい言われて「すまない! どうしてもその負担をしてあげられないんだよ」って思ってしまってたんですけど、今回はテレビ局の需要と私らのゆるさがうまく噛み合って良かったです。
――いつもの東京と今回の仙台で、お客さんの違いは感じましたか?
久保:あんまり変わりなく、温かかったですよね。
能町:ノリは同じでしたね。荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」より、マキシマム ザ ホルモンの「爪爪爪」で沸くっていうあたりが。
ヒャダイン:あれで“ホーム感”が出ましたよね。
――いつものコンディションでできたと。
ヒャダイン:そうですね。全く緊張はなかったですね。
能町:「Chara選手権」なんて、本当にただの“普段のカラオケ”ですよね。歌い出し間違えるし。
久保:でも逆にそれが良くないのかな…もっとちゃんとしようよ!っていう思いも…。
ヒャダイン:「ご縁に感謝」しなきゃ(笑)
“諦めの土地”に行きたい
――今後ホールツアーで行ってみたい場所はありますか?
能町:ベタですけど、とりあえずアウエーの大阪は行ってみたいですね。
ヒャダイン:そうですね、放送も1回しかしてないし。
能町:でも、ファンはきっと居るとは思うんですよ。
久保:私は“諦めの土地”に行ってみたいですね。東名阪を回ると必ず飛ばされる場所があるじゃないですか。その“諦めの土地”が、新潟なんですよ。「どうせ東名阪しか行かないでしょ?」みたいな感じで。
ヒャダイン:諦めの土地・新潟(笑)
能町:分かります。『オードリーのオールナイトニッポン』でツアーをやってるんですけど、青森、一宮(愛知)、北九州、東京っていう“ずらしツアー”なんですよ(笑)
ヒャダイン:あーいいですね!
久保:いい! 分かる!分かる!
能町:だからそういうのやりたいです。新潟もいいし、あと島根とか(笑)
ヒャダイン:岐阜とか!
能町:岐阜ね! 名古屋行っちゃうから。
久保:私たちのファンの岐阜の方にお会いしたことがあるんですけど、「岐阜に来てほしい」とも言わないんだよね。
ヒャダイン:諦めてる(笑)
久保:こっちから「トークイベントがやれるところありますか?」って聞いたら、「ないですね…」って。こんだけ朝ドラでも取り上げられてるのに、自信がない岐阜。
能町:あと滋賀に行きたい! 大津と京都の近さはすごいですからね。
久保:大津はこの前行ったけど、完全に京都の植民地でしたね。
能町:そうそうそう。だから大津でライブをやって、そこに京都や大阪の人が来ると思うと、もううれしいですよね。してやったりですよ。