教育資金を貯める方法として人気が高い学資保険ですが、私が金融商品に関する相談を受けているとよく「子どもが生まれた他の家庭ではどんな商品を選んでいるのだろう」という声が聞こえてきます。そこで今回は、子育て世帯へのアンケート結果をもとに、学資保険選びのポイントを解説します。

  • 学資保険選びは何が正解? アンケートをもとに人気2商品を比較してみた

    学資保険、みんなどうやって選んでるの?

約8割が小学校入学前に加入

妊娠中~高校生の子どもを持つマイナビニュース会員男女300名へ、学資保険の利用状況に関するアンケートを実施してみた結果、64%が「学資保険に加入している」と回答しました。そのうち82%が子どもが小学校に入るまでに加入しています。

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    Q「学資保険にはいつ加入されましたか? 」

加入している学資保険としては、ソニー生命(学資保険)日本生命(ニッセイ学資保険)、かんぽ生命(はじめのかんぽ)の契約率が高いことがわかりました。

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    Q「どちらの学資保険に加入していますか? 」

世帯年収別の積立額

次に、学資保険の受取タイミングと積立額について見てみましょう。

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    Q「学資保険の受取タイミングはいつですか? 」

受取タイミングでは、一番まとまったお金が必要になる「大学入学時」の回答が71.2%を占めていました。8%の世帯がわからないという回答をしていますが、学資金の計画を立てる上で受取タイミングは非常に重要なので、「わからない」なんてことがないようにしましょう。

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    世帯年収別「月額の学資保険料の支払いはおいくらですか? (子どもが複数いる場合は一人当たり)」

毎月の積立額は1万5,000円未満としている人が約75%でした。世帯年収別に見比べると、401万円から600万円の世帯では月1万円未満の積み立てが一番多く、年収が801万円以上の世帯でも月額2万円以上の積み立てをする世帯は少数派ということがわかりました。

子どもが小学校に入る前までに検討を始めたという世帯が多いので、積立期間は10年から最長で18年程度の期間を考えるのが一般的だと言えます。「18年程度」としたのは、保険料の払い込み期間は、子どもが18歳になるまでという商品があり、契約タイミングと子どもの誕生日によって数カ月のズレが発生する場合があるからです。

人気2社の学資保険を比較

調査結果から考えて一般的なプランといえるのは、「大学入学時に200万円の学資金を用意できる」「月額の積立額1万円程度を18歳の誕生日まで払い込む」プランです。

この条件で、今回のアンケート結果の契約者数上位2社であるソニー生命と日本生命のそれぞれのプランを比較してみましょう。ソニー生命は「学資金準備スクエア」、日本生命は「ニッセイ学資保険」でそれぞれシミュレーションした結果を比較します。

比較するにあたっては、子どもの誕生日を2018年9月1日とし、200万円を10年間または18年間で用意するために必要な額を計算しました。比較するプランをできるだけ合わせるために、ソニー生命では18歳から22歳まで5年間40万ずつ受けとるプラン、日本生命では18歳時に70万円、19歳から22歳までに35万円ずつで合計210万円受けとるプランでシミュレーションしました。

すると、以下の表のような結果になりました。

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    ソニー生命「学資金準備スクエア」と日本生命「ニッセイ学資保険」のシュミレーション結果

表を見るとわかるように、この条件下ではソニー生命のほうが高い返戻率であることがわかります。またどちらのプランでも、18年間積み立てるのであれば月額保険料は1万円未満に、10年間の積み立てであれば1万5,000円から1,000円程度予算オーバーとなりますが、200万円の学資金を作ることができます。

また返戻率と年利を見てみてください。ソニー生命も日本生命も払込期間が短いほうの返戻率が高くなります。逆にいうと払込保険料が少なくて済みます。期間が短いほうが効率よく積立できると知っておきましょう。

また返戻率というのは、払い込んだ金額に対して受け取れる資金がどのくらいの大きさになるかを率で示したものです。例えばソニー生命の「10年間」では、1,864,800円×107.25%=2,000,000円となります。しかしこの数値だと他の金融商品との比較が難しいので、年利に換算しておきました。それが「年利」の項目です。

同じソニー生命の「10年間」のプランだと0.73%、「18年間」では0.38%となります。この数字で見比べれば、銀行の定期預金などと比べても利回りが高いことがわかります。

家計負担が大きくならないように

学資保険を選ぶにあたっては、やはり、いくらの金額をどのくらいの期間で積み立てればよいかを検討するのが大変です。アンケート結果では、月額1万5000円未満の積立で、200万円を作るプランでの回答がよく出ていました。

いざ自分の子ども向けのプランを検討するときは、ネットで検索したり保険会社やFPの窓口で相談したりするのもよいですが、子どもを持つ同僚や上司にどんなプランを選択したかも聞いてみて、家計の負担が大きくならないように熟考してみてください。