毎日必要な「食事作り」に、頭を悩ませていませんか。とくに仕事をしている働くママにとって、帰宅後の夕食作りは時間との闘い。でもお金と家族の健康を考えると、毎日お惣菜を購入するのも気が引けますよね。以前は私も食事作りが苦痛でしたが、「定番化」で楽して、短時間で、しかも安くバランスの取れた食事が作れるようになりました。
食費ってどれくらい?
総務省の「家計調査報告(家計収支編)平成29年(2017年)」を見ると、2人以上の世帯のうち勤労者世帯の全国平均は、食費が74,584円。そのうち外食が15,177円ですので、家庭での食事は59,407円です。
我が家の場合、大人2人と子ども2人(小学生、4歳)の4人家族で、家庭での食事は3万円代、外食を入れても5万円代。全国平均と比べると、食費が少ないのです。しかも、夕飯作りにかかる時間は約30分。共働きで時間がない中、私が毎日の食事で工夫していることをご紹介します。
ポイントはメニューと食材の定番化
節約と時短のポイントは「定番化」。定番化するのはメニューと食材です。家族にはいろんな食事を作ってあげたいけれども、仕事をしていて時間がない中で家事をこなすには、優先順位をつけていかなければなりません。とくに、食事作りは毎日絶対に必要な家事。だからこそ、少しの工夫で忙しい毎日がグッと楽になります。
食事作りが面倒なのはなぜ?
実家にいる頃、母親によく「今日の夕飯何がいい? 」と質問をされました。
食事作りを面倒に感じる理由の一つが、メニューが決まらないこと。メニューが決まった後でも、冷蔵庫にはどんな食材があるか、買わないといけない食材は何か、どんな順番で調理するか、どのお皿に入れるかなど、食事作りは頭をフル回転させなければなりません。1回の食事を作るだけで考えることが山ほどあるため、毎日となるとストレスに。
でも、メニューや食材を定番化することで、毎日の考える時間が減り、ストレスが軽くなるのはもちろん、メニュー決めや買い物の時間が少なくなることから時短につながります。
時短で節約になる食事作りのポイント
では具体的にどのようなことで、時短かつ節約になるのかお伝えしていきます。
1. 定番メニューをストックしておく
食材や季節ごとに定番メニューをストックしておきましょう。たとえば、我が家の定番メニュー(一例)はこちらです。
<主菜:肉・魚と野菜の組み合わせ>
・煮物
・和風煮込みハンバーグ
・かぼちゃとピーマンの炒め物
・おでん
・高野豆腐の肉詰め
・カレー
・ナスみそ炒め
副菜はレンジだけで作れるメニューをストックしています。具体的にはこのようなメニューです。
<副菜:レンジのみでできる野菜料理>
・ほうれん草の胡麻和え
・キャベツの胡麻和え
・ブロッコリーのツナマヨ和え
また、ストックするメニューを決める際には、レシピに聞きなれない調味料が入っているものは控える、のがポイントです。聞きなれない調味料だと、いざ作ろうと思ったタイミングで調味料が切れているなど、料理作りに余分な時間がかかってしまうからです。
いつも家にあり、常に使っている調味料だけを使用したメニューをストックしておくことが大事なポイントです。さらに、旬の野菜を意識すると、節約にもつながります。
2. 冷凍野菜を味方に
野菜を冷凍保存している人も多いのではないでしょうか。以前は私も、野菜を買って下処理して冷凍保存していました。でも時間はかかるし、なかなか使いきれず化石化するし、何よりも手間がかかるので続かなくなりました。
そこで試しに冷凍野菜を買ってみたら、これが正解。実際に使ってみると、1袋180円前後で2~3回分の食事が作れるので、食費が安くなりました。しかも、下処理がいらないため、時短にもなります。味や食感の好みがあるようですが、国産野菜を使ったものであれば、美味しくいただけます。我が家の場合は、ほうれん草、ブロッコリー、サトイモ、ゴボウを常備しています。
3. 週1回のまとめ買いで節約
メニューを定番化することで、使う食材も定番化してきます。使う食材が決まっていれば、毎日メニューを考えて食材を買い物に行く必要がありません。このため、買い物回数は週1回で済み、買い物時間が少なくなります。また、買い物へ行く回数が減ることで、余分な食材を買うこともなくなるため、節約にもつながります。
4. 「まごわやさしい」でバランスOK
「まごわやさしい」という言葉を聞いたことはありますか? 健康的なバランスの取れた食事作りにいいと言われている食材の名前のゴロ合わせです。「ま」は豆、「ご」は胡麻、「わ」はワカメなどの海藻類、「や」は野菜、「さ」は魚、「し」はシイタケなどのキノコ類、「い」はイモ類。
この言葉に含まれている食材を少し意識すると、バランスが取れた食事になります。たとえば、主菜には野菜とお肉だったら、汁物にワカメを入れて、副菜は豆腐(豆)にする。これだけでも、バランスの取れた食事になります。
我が家の実例
この写真は、我が家の夕飯メニューの一例です。食事作りにかかった時間は、約30分。家族4人分の食事で、総額約1,000円(一人当たり250円)です。
こちらは、ご飯、みそ汁(具はワカメと玉ねぎ)、主菜はナスみそ炒め(ナス、ピーマン、ニンジン、豚肉)、副菜はキャベツの胡麻和え(キャベツ、胡麻)、ミニトマト。副菜は電子レンジで加熱して調味料を和えただけ。4分でできる簡単メニューです。
こちらは、ご飯、みそ汁(具はワカメとサトイモ)、主菜は和風煮込みハンバーグ(ひき肉、玉ねぎ、ニンジン、もやし、しめじ)、副菜はほうれん草と海苔の胡麻和え(ほうれん草、海苔、胡麻)、冷ややっこ。副菜は上の副菜と同じで、電子レンジで加熱し調味料で和えるだけの時短メニューです。
食事は家族の健康と笑顔が一番
以前は「時間をかけないと美味しくて栄養のあるご飯は作れない」「品数が多くないと家族に申し訳ない」なんて思いこんでいました。でも、家族にとっては、夕飯の品数や見栄えよりも、ママが笑顔でいてくれたほうが嬉しいし、食事も美味しくなります。
忙しい平日は定番化で、時間のある休日は少し変わったメニューに挑戦する。メリハリをつけて毎日の食事作りを楽しんでみませんか。
筆者プロフィール: 山田琴江
高校3年の時に父親を癌でなくし、お金について考え、進学先や将来の方向性を決める。奨学金をもらいながら大学に進学し、大学主催の資格取得講座のみで大学在籍中に公認会計士試験に合格。親の経済力を理由に夢を諦める子どもたちを少なくしたいという想いで、ファイナンシャルプランナーとしての活動を行っている。その人の価値観に沿ったマネープランの作成、アドバイス、伴走を得意とする。
自身のホームページ 「FPみらいえ」
公認会計士、AFP、ライフオーガナイザー、マイライフエフピー認定ライター