大雨や台風で急な水量の増加により、家屋が浸水する被害が、今年は多く見られます。街が水浸しにならなくても、短時間に集中的な雨が降ったせいでバルコニーに水が溜まってドキッとした方もいるのではないでしょうか。屋根のあるベランダと違って、屋根が無いために雨の直撃を受けやすいバルコニー。今回は、そんなバルコニーに水が溜まってしまった際、また日ごろの対応について、不動産・住生活ライターの高田七穂さんにお話を聞きました。

バルコニーの浸水対応方法

Q:雨が降ってバルコニーに水があふれた! どうすればいいですか? A:バルコニー内に排水口はありますか。あれば、内部を確認してゴミが詰まっていたら取り除き、ブラシでこするなど掃除をしましょう。排水口がないのに水が大量にたまっている場合は、別の部屋にあるバルコニーの排水口が詰まっていることが考えられます。管理会社や大家さんにすぐに連絡して、状況を伝えましょう。

雨や台風の季節。ときには予想外の大雨が降ってバルコニーに大量の雨水がたまってしまうことが起こります。最悪の場合、雨水が室内に流れてきてしまうこともあります。また、バルコニーは防水されていないことも少なくないため、上階のバルコニーの水が下の階に流れてしまうこともあります。こうなると、下の人にも迷惑をかけてしまうかもしれません。

バルコニーのこまめな掃除が大事

バルコニーの排水口には、枯れ葉やゴミなどが詰まりやすいもの。とくに梅雨や台風の時期には、左右の部屋のバルコニーからゴミなどが流れてきて、排水口を詰まらせてしまうことがあります。「この前掃除したから」と思わずに、晴れた日にチェックしてみましょう。バルコニーも自分が借りた部分です。きちんと掃除をして管理をするようにしましょう。

さらに、掃除をしやすいように、バルコニーには大きなものを置かないようにしたいもの。絶対に止めたいのは、「室内に置き場がないから」などの理由で、大型の収納セットなどを隣との境にある隔て板の近くに置いてしまうことです。

そもそも、バルコニーは、火災発生時の避難路としての役目があります。隔て板をふさぐような大きな荷物を置くと、逃げ道がなくなってしまいます。両隣の人が自分のバルコニーに逃げてくることも考えられるので、大きな荷物は置かずにバルコニー内を通りやすくしておきましょう。

また、避難ハッチがあれば、それをふさぐようなこともやめましょう。たとえば、鉢植えをハッチのうえに置く、シートをバルコニー全面に敷く、などは災害時に自他の避難の妨げになってしまいます。避難ハッチの周囲には荷物を置かず、いつでも使えるようにしておきたいものです。

高田七穂(たかだ なお):不動産・住生活ライター。住まいの選び方や管理、リフォームなどを専門に執筆。モットーは「住む側や消費者の視点」。書籍に『最高のマンションを手に入れる本』(共著)『マンションは消費税増税前に絶対買うべし!?』(いずれもエクスナレッジ)など。