従来は男性が外に出て働き、女性は家を守るという形が主流でしたが、最近は女性の労働力人口も増え、また、男女別の賃金格差も徐々にですが縮小してきています。このため、男性よりも女性のお給料が高いという場合も珍しくはありません。結婚する二人の収入差があり、特に男性より女性の収入が高い場合、「収入格差婚」などと言われています。

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    女性の活躍により「収入格差婚」がこれから増えるかもしれない

我が家は収入格差婚

我が家は、夫より妻である私の収入が多い、いわゆる「収入格差婚」でした。私が監査法人勤務の公認会計士で、夫は同年代のいわゆるサラリーマン。結婚当時、私の年収が600万円、夫の年収が400万円弱と、夫の年収に対し私の年収は1.5倍。このため、母親から結婚前に「お金についての話題には気をつけなさい」そして「夫のプライドを傷つけないようにしなさい」と言われていました。

結婚後、お金の管理が苦手な夫は、家計の管理に対してあまり興味を持たず、家計簿をつけるのは私だけ。「月の食費をいくらにするか? 」などと言った予算の話にも興味を示しませんでした。

結果として、お金の使い方について「将来子どもが生まれた時のために貯金をしたいから、食費をもう少し節約したい」といったように、私から夫へお願いしたり、場合によっては「使いすぎではないか? 」と私からお金の使い方について夫へ文句を言ったりしていました。

このため、お金の話をすると、家庭の雰囲気がなんとなく悪くなり、夫婦でお金の話をすることに対して少し苦手意識が芽生えてしまいました。しかし、家や車を購入したり、子どもが生まれたりする中で、このままお金の話をしないわけにはいかないという想いも強くなり、試行錯誤を繰り返しました。

我が家でうまくいった4つの方法

そんな我が家も結婚10年目となりましたが、現在は、フランクにお金の話をしますし、貯金もしっかりできています。また貯金するだけではなく、キャンピングカーを購入するなど「使う」こともしています。

では、我が家でうまくいったポイントは何であったのか、いくつか書いていこうと思います。

その1:夫婦で共通の夢を持つ

一番効果的だったのは、個々人の夢ではなく、夫婦の共通の夢を持ったことです。何か行動をする前に、「何のためにこういう行動をするのか? 」「なぜお金の使い方を変えるのか? 」をお互いに明確にしました。

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    夫婦共通の夢をもってそれに向けて道筋を立てよう

我が家の夫婦共通の夢は、このようなことです。

夫婦の夢
・どのような家庭を創りたいか(子どもが巣立ったら、夫婦水入らずで過ごしたい)
・子どもは何人欲しいか(二人は欲しい)
・子どもには中学受験させるか(できれば中学受験はさせたいかな)
・家はどこに購入するか(働きたいので、子どもが小さいうちは、母親に育児の手伝いをお願いできるような距離がいい)
・老後はどのような生活をしたいか(キャンピングカーで日本中を旅したい)
・いつまで会社に勤めるか(50代で早期リタイアしたい)

夫婦間で将来の夢について話していくと、同時に、相手がどのようなことを重要と考え、どのような価値観を持っているのかが明確に分かってきました。

たとえば我が家の場合は、「日々の生活で贅沢はいらない、でも旅行に行くことが好きなので、旅行先で予算を気にするのは嫌だ」とか、「七五三などの記念日には値段が高くても気持ちよく写真を撮ってくださる写真屋さんへ行く」などです。

こうして夢が決まると、「〇〇したい。そのためには、△年後に×万円必要だから、今のうちに月〇万円貯金しよう」といったように、具体的な金額に落とし込んだ話ができます。