アップルが米国で開催したスペシャルイベントで、3種類の新しいiPhoneが発表されました。発表会場に展示されていた実機を手にした印象を中心に、新iPhoneの魅力をおさらいしたいと思います。
画面の迫力と意外な持ちやすさに驚いたiPhone XS Max
まずは、有機ELパネルを搭載した「iPhone XS」と「iPhone XS Max」です。2017年に登場した「iPhone X」を受け継ぐ高性能モデルですが、何より注目なのがiPhoneでは最大サイズとなる6.5インチの大型パネルを搭載するiPhone XS Maxです。
動画や写真を画面いっぱいに拡大して再生すると、鮮やかな表示の有機ELパネルの効果もあって、かなりのインパクトがありました。数字的には、6.2インチのNintendo Switchを上回るサイズになり、ゲームもより大迫力で楽しめそうです。
解像度がiPhone Xの2,436×1125ドットから2,688×1242ドットに高まったことで、1画面に表示できる情報量が増えたのも見逃せません。メッセージアプリでは過去のメッセージ履歴をより多くでき、メールアプリでは本文を一画面で確認しやすくなります。LINEなどサードパーティー製のアプリはベンダー側の対応が必要となりますが、日々の利便性が高まるのは間違いありません。
iPhone XS Maxを手にして驚かされたのが、大画面の割に持ちやすいと感じたこと。重さや本体サイズをiPhone 8 Plusなどの5.5インチ液晶モデルとほとんど同じ水準に抑えたことで、「これほどの大画面なのに小さく軽い!」という印象を与えるのだと感じます。5.5インチ液晶モデルを使っている人ならば、これまでと同じ感覚でさらなる大画面のメリットが享受できるでしょう。
ボケの表現を自在に変えられる機能が加わった
カメラ機能では、新たに加わった深度コントロール機能が注目といえます。これは、ポートレートモードで撮影した写真の被写界深度を自由に変更し、背景のボケの表現を変えられる機能です。スライダーを動かせばF1.4~F16の間で調整でき、リアルタイムに反映されます。いかにも画像処理でボケを大きくしたという不自然さはあまり感じられず、実際に絞りを変えて撮影したような描写が得られました。
撮像素子のデータの読み出し速度が向上したことを受け、新たにスマートHDR機能を搭載したのも注目できます。これは、1回のシャッターで露出を変えた複数の写真を撮影し、それらを自動で合成することでダイナミックレンジの広い写真を生成する機能。撮影は一瞬で済むため、動きのある被写体でも対応できるのが従来にはないポイントです。
ちなみに、iPhone XSとiPhone XS Maxでは動画撮影用のマイクがステレオに改良され、自分で撮影する動画の音声もステレオで収録できるようになりました。内蔵スピーカーでの再生でも臨場感が高まったのが確認でき、動画のクオリティがワンランク高められるのはうれしいポイントといえます。