レノボジャパンは9月11日、IFA2018で発表した「ThinkPad X1 Extreme」を日本市場に向けて発売しました。これに伴い、製品発表会を開催。18.4㎜の薄型筐体にハイスペックなプロセッサを搭載した工夫を紹介しました。
ThinkPad X1 Extremeは、X1シリーズとして初の15.6型モデルです。ThinkPadと言っても普通の人が使うシリーズ以外に「設計など現場で使う」モバイルワークステーションと呼ばれる製品もありますが、レノボによるとこの分野でも小型軽量製品が求められているといいます。
レノボはモバイルワークステーションとして、薄型ボディにIntel XeonとNVIDIA Quadroが搭載可能な「ThinkPad P1」を投入していますが、これを一般向けにリファインし、プロセッサをIntel CoreプロセッサとNVIDIA GeForceに変更したのがThinkPad X1 Extremeというわけです。
CPUは第8世代Core iプロセッサを採用。まずCore i7/Core i5モデルを出荷しますがCore i9モデルも追って登場する予定です。
クリエイターやエンジニアに向けた製品とあって、メモリも最大で64GBの大容量が搭載可能です。この手の薄型ノートPCでは、メモリがメインボードに直付けされるケースが多いのですが、ThinkPad X1 ExtremeではSO-DIMMのスロットを2基備える点も特徴の1つ。自由なコンフィグレーションが可能です。
ディスプレイは、タッチ対応の4K液晶と非対応フルHD液晶の2種類で、4K液晶は、Adobe RGB 100%対応とデザイン設計にも使われるワークステーション並のスペックです。
薄さと高い性能の融合を目指した究極のX1
ThinkPad X1 Extremeは、X1シリーズの薄さや軽さ、モバイルワークステーションが持つ高い性能の融合を目指した製品です。
従来のX1シリーズでは、CPUとしてTDP15WのUシリーズプロセッサを採用しています。しかし、ThinkPad X1 Extremeではより高い性能を備えるHシリーズプロセッサを搭載します。
性能が高い分、TDPも45Wと高く。さらにディスクリートGPUとしてNVIDIA GeForce GTX 1050 Tiを搭載することで、トータルで75Wの消費電力となります。従来と比べると実に5倍の電力消費(≒発熱)です。
放熱に関してはCPU/GPUをともに空冷ファンで冷やすだけでなく、それぞれをヒートシンクで繋いで熱バランスを最適化する構造を採用。薄くて風量のある独自の「OwlFan」も改良を重ねて第10世代となりました。
本体の裏を見ると「ゲーミングノートパソコンなの?」と思うほど広い開口部となっている一方、エアの出口から背面部に熱風が回らないように、ゴムクッションが一直線に伸びているなど、随所に工夫が凝らされています。
空冷ファンもメインボードの設計とともに行われますが、どうしても中央に配置したい部品のために、左右で微妙に違うファンユニットになっています。
また、ThinkPadのデザインはサイド部分が9度ほど傾いていますが、メインボードを斜めに入れるとUSBコネクタが引っ掛かって入りません。このようなケースでは別基盤にして対処するのが一般的ですが、部材が増えるため、1枚の基板としています。そこで今回はコネクタ部をスライド式とすることで、クリアしています。
電源コネクタですが、最新のThinkPadではUSB Type-Cとなっていますが、ThinkPad X1 Extremeはおなじみの四角い独自コネクタです。これはX1 Extremeが最大130Wという消費電力なのでUSB PD規格では対応できないため。しかし、USB PDにも対応しておりスリープ時等で消費電力が少ない場合には対応できるとのことです。