JR北海道は11日、北海道胆振東部地震の影響で運転見合わせとなっている路線の再開見込みを発表。あわせて9月12日の運転計画も公開した。JR貨物も北海道地区の貨物列車の運転再開見込みなどについて発表した。

  • 日高本線苫小牧~鵡川間の運転再開は未定(写真は2016年8月撮影)

9月6日未明に発生し、厚真町で震度7、安平町・むかわ町で震度6強などを観測した北海道胆振東部地震、その後の大規模停電の影響で、JR北海道の路線は一時全線運転見合わせとなったが、その後は北海道新幹線を皮切りに、在来線も順次運転再開。9月11日の時点で、札幌圏を中心に主要路線はおおむね運転再開したが、石勝線南千歳~新得・夕張間や室蘭本線沼ノ端~岩見沢間、日高本線苫小牧~鵡川間などで運転見合わせが続く。特急「スーパーおおぞら」「スーパーとかち」が全列車運休となったほか、節電の取組みで特急「ライラック」「カムイ」「すずらん」の一部列車も運休している。

今回の発表で、石勝線南千歳~新得間は線路・電気設備など被害箇所の復旧作業、レール研磨と踏切設備の点検・動作確認を行った上で、9月14日から特急列車、9月17日から普通列車の運転を再開できる見込みとされた。9月12日は引き続き運転を見合わせ、9月13日は札幌~新夕張間・南千歳~新夕張間で代行バス、新夕張~釧路間で臨時特急列車を2往復運転。翌14日から特急「スーパーおおぞら」「スーパーとかち」が運転再開となる。新夕張~夕張間の支線も、復旧作業を経て9月22日に運転再開予定となった。

宗谷本線音威子府~稚内間は9月12日から運転再開となるが、同日に運転される列車は下り特急「サロベツ3号」と上り特急「宗谷」のみ。普通列車も含めた運転再開は9月13日を予定している。函館本線の運転見合わせ区間である長万部~小樽間のうち、倶知安~小樽間は9月13日、長万部~倶知安間は9月15日に運転再開予定。室蘭本線沼ノ端~岩見沢間は9月17日の運転再開を予定している。

その他の運転見合わせ区間の再開時期(予定)は、富良野線美瑛~富良野間が9月12日、留萌本線深川~留萌間が9月13日、花咲線(根室本線)の釧路~厚岸間が9月14日、厚岸~根室間が9月19日、釧網本線の東釧路~摩周間が9月15日、摩周~網走間が9月24日、札沼線(学園都市線)の北海道医療大学~石狩月形間が9月22日、石狩月形~新十津川間が9月29日、根室本線の滝川~富良野間が9月22日、富良野~東鹿越間と東鹿越~新得間(代行バス)が9月29日。日高本線苫小牧~鵡川間のみ、再開見込みは未定とされた。同区間では厚真川橋梁などの詳細調査が実施される。

  • 根室本線滝川~富良野間は9月22日に運転再開予定(写真は2017年8月撮影)

JR貨物も北海道胆振東部地震の影響を受け、道内の一部区間で貨物列車を運転できない状況となっていたが、JR北海道による復旧作業が進んだことで、9月12日に根室本線の帯広貨物~釧路貨物間、9月14日に石勝線・根室本線南千歳~新得~帯広貨物間、9月17日に室蘭本線沼ノ端~岩見沢間、9月22日に根室本線滝川~富良野間で貨物列車を運転再開できる予定となった。これにより、一部徐行区間はあるものの、今回の地震による不通区間はすべて解消されることになる。なお、札幌貨物ターミナル~帯広貨物間では9月12日から列車運転再開まで、トラックによる代行輸送が行われる。