JR北海道は北海道胆振東部地震による道内の電力供給量不足への緊急対応として、特急列車の間引き運転をはじめ節電に取り組むと発表した。
9月6日未明に発生した北海道胆振東部地震の直後から、道内全域で大規模な停電が発生。一時は約295万戸が停電するという前代未聞の事態となった。停電はすでにほぼ解消されたが、地震前の発電量の半分近くを担っていた苫東厚真発電所は運転を停止したままで、復旧までには相当の時間を要する見込み。このため、経済産業省や北海道電力は、節電コア時間帯(平日朝8時30分~20時30分)における2割の節電を道民に呼びかけている。
これを受けてJR北海道は、札幌~旭川間の特急「カムイ」「ライラック」上下計48本のうち10本と、室蘭~札幌間の特急「すずらん」上下計12本中6本について、9月10日から2週間程度運休することを決定。期間を変更する場合は改めて発表するとした。
同社の苗穂工場でも、車両部品の製造に使用している約600kWの電気炉の稼働を2週間程度停止する。駅などの施設においては、照明の減灯や電照広告・デジタルサイネージの消灯などを実施。自動券売機を3台以上設置している駅では、一部の券売機を停止する。空調も状況に応じてきめ細かく温度調整を行い、節電に努める。オフィスや事業所も同様にエレベーターの運転台数削減や使用制限、照明の減灯、空調温度の変更、電気機器類のこまめな電源オフなどに取り組むという。