引っ越しを決意していくつか内見したけど、あの部屋は立地がいいけど設備が気になる。あの部屋は部屋の形と日当たりは良いけど建物の周辺環境が気になる。ああ、あの部屋の立地とあっちの部屋の設備が1つになったような部屋はないものか……などと悩んでしまって決められない人もいるのではないでしょか。

今回は、内覧しても各部屋のネックポイントが気になって部屋を決められない場合の打開策について、不動産・住生活ライターの高田七穂さんにお話を聞きました。

内覧しても決められない時は見方を変える

Q:内覧しても、マイナス面ばかり気になって決められない。どうすればいいですか?

A:こだわりが多ければ、マイナス面に目がいってしまうのは、よくあることです。でも、マイナスには必ずプラスがあります。ちょっと見方を変えてみてはどうでしょうか!

たとえば、日当たりや間取りは気に入っているけれど、駅から徒歩でかなり時間がかかってしまう物件があるとします。このお部屋で決定するかどうか、迷ってしまいますね。

そういう時には別の要素も洗い出します。まず「夜道に危険がないか」「買い物に不便はないか」などをチェックしましょう。夜の時間に一度行ってみたり、周辺の店舗と営業時間を調べてみたりします。ここで、問題がないようでしたら、次のように考えてみましょう。

毎日、駅まで一定距離を歩くことで運動の機会になります。また、自転車を使えば、早く到着します。また、駅から離れていたとしても、2つの路線や2つの駅から中間地点にあれば、それぞれの駅を利用できるだけでなく、周辺施設もなじみのものになります。

たとえば、片方の駅には商業施設が充実しており、もう片方の駅にはスポーツ施設や公園がある、といったことなどです。帰り道に別の駅を使うことで、平日でもスポーツ施設に立ち寄れるなど、行動範囲の広がりが期待できます。

また、日当たりの悪さがネックになって部屋を迷っている場合。ここでは、どのくらいの時間を部屋で過ごすか考えてみましょう。平日、朝早くから夜遅くまで外出し、休日も寝て過ごしたり、遊びに出ていたりすることが多いのであれば、あまり日当たりは必要ないかもしれません。布団を干したいときは乾燥機を使うという方法もあります。

ですから、気になるマイナス面があったら、まずどうやったら解消できるか、そして、その解消方法に納得できるか、を考えてみましょう。その解消方法でガマンできるかどうかを順位づけしてみます。そこに住んだときに、どんな暮らしになるかをイメージしながら決めていきましょう。

高田七穂(たかだ なお):不動産・住生活ライター。住まいの選び方や管理、リフォームなどを専門に執筆。モットーは「住む側や消費者の視点」。書籍に『最高のマンションを手に入れる本』(共著)『マンションは消費税増税前に絶対買うべし!?』(いずれもエクスナレッジ)など。