東京都内に『大人の隠れ家』と称される飲食店は数あれど、ここまでその冠がふさわしい店はそうそうないはず。そんな店が、中目黒にオープンした「くずし割烹 おにかい」だ。

  • いつからか定番になった感のある「肉」プラス「うに」。じつはお互いに旨みを引き出す好相性なのだ

中目黒とは思えない、ノスタルジック一軒

中目黒駅南改札を出て6分ほど歩いた路地。あれ? この辺にあるはずなんだけどな。目の前には昭和テイストなかなりの築年数っぽい家が。看板が出ていないため、外観からは一見飲食店には見えないが、どうやらここの2階が目的の店らしい(よく見たらポストに店名があった)。

  • お店の外観。路上から見上げていると張り込み中だと勘違いされそうなので注意

勝手口を開け階段を上がると、おぉっ! 外からはまったく想像できない綺麗な空間が。幅の広いコの字型のカウンターが奥まで広がっていた。知らずに通り過ぎる道行く人には気が付かれないであろう、まさに隠れ家。ちょっと隠れすぎだろっていうくらい、隠れ家。でもそれがいい感じ。

  • こんなアットホームなカウンター席なら見知らぬお客さんとも今度こそ仲良くなれそうな予感

「くずし割烹 おにかい」は、2018年8月1日に開店したばかり。1階では今年5月にオープンした「天婦羅 みやしろ」を営業しており、ヒルトン東京「日本料理 さくら」で修業した料理人が調理した旬の食材をリーズナブルに楽しめる新店なのだ。築100年の古民家をリノベーションしているという店内は、明るくアットホームな雰囲気だ。

  • メニューボードには気になる料理がいっぱい。「みやしろ風 悪魔のおにぎり」とは?

ところで、「くずし割烹」とはなんぞや? カウンターに囲まれた調理場に立つ店長の猿山浩之さんに訊いてみた。「客単価が2万円ほどする「天婦羅 みやしろ」の料理人が作るアラカルトをリーズナブルに食べられるのが売りで、こちらは客単価が6,000円~8,000円くらいを想定しています」とのこと。予約制ではないものの、カウンター13席、2名用の個室が1部屋と席数が少ないこともあり、満席の場合もあるので電話を入れてから来店するのが確実のようだ。

  • 店長の猿山浩之さんと交わす会話もお店のウリのひとつ。嫉妬するくらい喋りがうめえ~!

ところで個室ってどこ? と店の奥を見てみたら、旅館でよく見るような窓際席が。しかもちゃんと扉もついている。スペースにして、だいたい2畳くらいだろうか? ここに入るにはかなりの関係性が求められる気がするな。眼下に見下ろす街並みを眺めつつ飲むシチュエーションはなんだかシュール。それに、『三丁目の夕日』的なノスタルジーも感じることができる。

  • 奥にはこんな感じの個室もあり。2人の関係が問われることになりそうな超絶プライベート空間