JR東海は5日、在来線の車内におけるきっぷの発券などに使用している車掌携帯端末について、全線区で機能が充実した新型端末に取り替えたことを受け、特急列車などの車内改札方法を10月1日から変更すると発表した。在来線の駅および車内での英語による案内放送を充実させることも発表している。
新型車掌携帯端末では、全国のJRで使用される販売システム「マルスシステム」の持つ経路自動案内機能や乗換案内機能等を活用することで、きっぷの発券や乗換案内の待ち時間を短縮し、指定席・グリーン席では空席の有無や利用区間といった各座席の発売状況を端末で正確に把握できる。現在は口頭で行っている指令員から車掌への各種伝達も、口頭だけでなく端末に文字で表示することが可能となる。
新型車掌携帯端末により、指定席・グリーン席の発売状況をより正確に把握することが可能となったことから、特急列車等の指定席・グリーン席を利用する乗客への車内改札を原則省略するとのこと。なお、自由席を利用している場合や、きっぷの券面と異なる座席を利用する場合は、これまで通り車掌が車内改札を行う。
車内改札を省略するJR東海管内の列車は、特急「しなの」「ひだ」「南紀」「伊那路」「しらさぎ」「ふじかわ」と快速「みえ」、「ホームライナー」(普通車除く)とされている。なお、特急「南紀」と快速「みえ」でJR線から直通する伊勢鉄道区間を利用する場合、伊勢鉄道区間に必要な乗車券・特急券の確認を行う。
JR東海は駅における英語放送を充実させることも発表。駅係員が使用するタブレット端末に英語の自動放送に必要なアプリを搭載し、タブレット端末を駅の放送装置に接続して英語による案内放送を行う。あらかじめタブレットに登録した英語の定型文をベースに、駅係員が遅れ理由などを選択することで、さまざまな状況で英語の案内が可能となる。
英語での放送項目は、通常時の放送(列車の発車案内・到着案内・接続案内など)、輸送障害時の放送(列車の遅延・運休・振替輸送など)、その他(注意喚起・地震発生時の避難誘導案内など)がある。導入される駅は東海道本線の三島駅・静岡駅・掛川駅・浜松駅・名古屋駅、中央本線の中津川駅・木曽福島駅、高山本線の下呂駅・高山駅・飛驒古川駅、御殿場線の御殿場駅、身延線の富士宮駅。導入日は9月4日。
車内における英語放送の充実では、特急「ひだ」「しなの」の車内の英語放送に駅ナンバリングの案内を順次追加し、9月14日までに完了させる予定となっている。