キヤノンは9月5日、レンズ交換式カメラ「EOS」シリーズ用の「EFレンズ」として、大口径超望遠レンズ「EF400mm F2.8L IS III USM」と「EF600mm F4L IS III USM」を発表した。ともに12月下旬の発売を予定。それぞれ「EF400mm F2.8L IS II USM」「EF600mm F4L IS II USM」の後継機種となっている。

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    「EF400mm F2.8L IS III USM」

  • プロ向け望遠レンズ

    「EF600mm F4L IS III USM」

EF400mm F2.8L IS III USM

「EF400mm F2.8L IS III USM」は、焦点距離が400mmのプロ向け大口径超望遠レンズ。希望小売価格は1,680,000円(税別)。レンズの光学設計を見直し、フォーカスリングも電子化。前モデルと比べて25%以上の軽量化を達成し(約1,010g軽くなった)、重さは約2,840gとなっている。

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    写真左が前モデル「EF400mm F2.8L IS II USM」、右が今回発表された「EF400mm F2.8L IS III USM」

レンズ構成は、蛍石レンズ2枚、スーパーUDレンズ1枚を含む13群17枚。色収差をしっかりと補正し、プロ向けの「Lレンズ」にふさわしい高解像感と高コントラストを実現した。レンズには、垂直に近い角度で入射する光の反射を防止する特殊コーティング「ASC(Air Sphere Coating)」を施し、画質劣化の原因となるフレアやゴーストを抑制する。

マウント部、スイッチパネル、フォーカスリングは、防じん・防滴に配慮した構造で、レンズ最前面と最後面には油や水滴が付着しにくいフッ素コーティングを採用。塗料には、レンズの温度上昇を抑える遮熱塗料を使用した。

手ブレ補正効果は、シャッター速度換算で5段分。マニュアルフォーカス速度は、ユーザーの好みに合わせて3段階から選択できる。事前に2点までの位置をフォーカス地点として設定しておくことで、素早いピント合わせが行える「フォーカスプリセット」も用意した。

主な仕様は以下の通り。

  • レンズ構成: 13群17枚
  • 絞り羽根枚数: 9枚
  • 最小絞り: F32
  • 最短撮影距離: 2.5m
  • 最大撮影倍率: 0.17倍
  • フィルター径: 52mm
  • 最大径×全長: 約163×343mm
  • 重さ: 約2,840g

EF600mm F4L IS III USM

「EF600mm F4L IS III USM」は、焦点距離が600mmのプロ向け大口径超望遠レンズだ。希望小売価格は1,820,000円(税別)。前モデルから約870g軽くなり、重さは約3,050gに抑えられている。

焦点距離以外の機能や仕様は、「EF400mm F2.8L IS III USM」とほぼ共通。主な仕様は以下の通り。

  • レンズ構成: 13群17枚
  • 絞り羽根枚数: 9枚
  • 最小絞り: F32
  • 最短撮影距離: 4.2m
  • 最大撮影倍率: 0.15倍
  • フィルター径: 52mm
  • 最大径×全長: 約168×448mm
  • 重さ: 約3,050g