JR東日本は4日、横須賀・総武快速線用車両としてE235系を新造・投入すると発表した。11両編成を51編成、4両編成を46編成、合計745両を新造。デジタルサイネージを搭載し、グリーン車のコンセント整備や無料公衆無線LANサービスなど車内設備の充実も図る。
横須賀線・総武快速線へ新造・投入されるE235系は、山手線用の車両と同じく独立M車方式(1両に1台の制御装置)のユニット構成を採用。11両編成は6M5T(E217系は4M7T)、4両編成は2M2T、15両編成での運転時は8M7Tの構成となる。最高速度は従来のE217系と同じ120km/h。列車情報管理装置は「INTEROS」。車体はステンレス製で、外観イメージ画像では車体側面の上部と窓下に「横須賀色」(青色・クリーム色)の帯を配し、車体前面は窓下にクリーム色のグラデーションを用いたデザインが特徴となっている。
普通車の座席はE217系の「セミクロスおよびロングシート」に対し、E235系では「ロングシート」とされている。普通車の座席幅はE217系より10mm拡大。ドア上部や荷棚上部などにデジタルサイネージを設置し、同社では初めて、異常時に客室内すべての画面を一時的に切り替え、自列車に関する情報提供を行う機能を搭載。普通車の各車両にフリースペースが設置されるほか、普通車のトイレはすべて車いす対応大型洋式トイレとなる。
グリーン車はE217系と同じく2階建ての構造で、普通列車グリーン車では初めて各座席へコンセントを整備するとともに、無料公衆無線LAN(JR-EAST FREE Wi-Fi)も提供。液晶ディスプレイ(LCD)の案内画面も設置する。
各車両の客室に車内防犯カメラを設置してセキュリティ向上を図り、容量の大きな空調装置や、車内温度保持を目的とした半自動機能も搭載。主要機器を二重系化して故障に強い車両とし、モニタリング技術を活用して車両搭載機器や線路・電力設備の状態監視をつねに行い、故障の予兆を把握して事前に対処するなど、さらなる安全性・安定性向上もめざす。加えて、停電をはじめとする異常時を想定し、同社初という非常走行用電源装置も搭載。駅間に停車しても最寄り駅または降車避難しやすい場所まで走行可能とする。
E235系の横須賀・総武快速線用車両は2020年度から順次落成予定。横須賀線(東京~久里浜間)・総武快速線(東京~千葉間)をはじめ、総武本線(千葉~成東間)、成田線・鹿島線(佐倉~香取~鹿島神宮間、成田~成田空港間)、外房線(千葉~上総一ノ宮間)、内房線(蘇我~君津間)が運用区間とされている。