2017年からIFAへの再出展を果たしたシャープのブースは、昨年よりも勢いを増している印象を受けました。今回は、AQUOS 8Kテレビの新製品を発表。日本でも発売を予定している80型・70型・60型のラインアップに注目です。
シャープは、日本国内で70型の8K/HDRテレビ「LC-70X500」(実売価格は税込100万円前後)を発売しています。欧州では、チューナーを内蔵しない「LV-70X500E」を今年の4月末から販売開始しました。今回のIFAに出展された製品はサイズアップを図った80型モデルで、“第2世代の新しいAQUOS 8K”として紹介されています。
欧州で発売を予定する新しいモデルは、チューナーを搭載しない8Kモニター仕様が予定されており、発売時期は来年春ごろになるということです。
日本では、欧州よりも少し早い今年の年末に発売が予定されています。国内では、12月1日に新4K8K衛星放送が始まるので、それにターゲットを合わせて準備が進められているのでしょう。
シャープの広報担当者によると、「日本モデルにはチューナーや専用ICを乗せた画像処理エンジン、5.1.2chのサウンドバーやHDD録画機能などが合わせて用意される予定」だそうです。シャープのブースには、Dolby Atmosによる立体音響再生に対応するサウンドバーも展示されていました。
さらに、日本では70型を第2世代の新製品にリニューアルするほか、60型のややコンパクトな8K/HDRテレビもラインアップする予定です。今回のIFAでは、参考出展のかたちで製品が展示されてました。広報担当者は「デジタルカメラで撮影した写真も楽しめる、今が買い時の8Kテレビとして訴求したい」とコメントしています。
AQUOS 8Kモニターは発売以来、欧州でどのように受け止められているのでしょうか? 広報担当者によると、欧州でも薄型テレビの大型化が進むなかで、シャープのプレミアムブランド戦略に大きく貢献しているそうです。
昨年から欧州でテレビ製品を復活させたシャープは、今後は高級ゾーンのポジション獲得を狙います。IFAでは、高級スポーツカーとして知られるフェラーリのデザインを手がけてきたイタリアのピニンファリーナと組んで、来年前半に発売を予定しているというデザインコンシャスなテレビの試作機も参考出展していました。
テレビのほかには、欧州で展開するスマートフォンも紹介していました。シャープは、昨年のIFAでテレビに加えてスマホも欧州再進出を宣言しており、会場ではロボホンの出展が来場者の目を引きました。今年はロボホンの姿はなかったものの、代わりに堅実に足場を固めていくためのミドルレンジスマホが3機種展示されていました。
ラインアップは、上位から6インチの「AQUOS D10」、5.5インチの「AQUOS C10」、5.7インチの「AQUOS B10」。いずれも、欧州ではドイツとベネルクス(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)でSIMフリースマホとして販売するモデルです。B10は7月から、C10は8月から販売を開始しています。D10の発売時期は9月で、価格は399ユーロ(約5.1万円)になります。
このほか、フレキシブルタイプのOLED(有機EL)ディスプレイを搭載したAQUOSシリーズのスマホのモックアップが参考出展されていました。商品化について明言はなかったものの、外観の完成度はそこそこ高く、本気度は十分に伝わってくるプロトタイプでした。