ワコムの液晶ペンタブレット「Wacom Cintiq Pro」に、これまでの13型、16型に続き、24インチの「Wacom Cintiq Pro 24 ペン&タッチモデル」が発売されました。また、専用のスタンド「Wacom Cintiq Pro 24用Wacom Ergo Stand」も登場。同機種に触れることができましたので、本稿で使い勝手などを紹介していきましょう。

  • Wacom Cintiq Pro 24 ペン&タッチモデル

Wacom Pro Pen 2の圧倒的な性能に興奮

「Wacom Cintiq Pro 24」は世界トップクラスの色精度(Adobe RGBカバー率99%!)とペンの追従性を限りなく高性能に実現した、4K解像度(3840 x 2160)対応の液晶ペンタブレットです。

まずは何と言っても「Wacom Pro Pen 2」。Pro Penになってから電池レス、バッテリーレスになったのでうっかり充電しわすれた!なんてことがないのがいいなといつも感じますが、サイズの割に軽くて、重心が低めにできているので動かしやすく、長時間握っていても疲れません。

筆圧8,192レベル、といわれてももはやピンと来ませんが、実際に使うとペンの書き出し”と”描き終わり”の強弱の精度が非常に高いと感じます。

  • Wacom Pro Pen2の圧倒的な描き味、ぜひ一度試してみて欲しいです

個人的には以前の細身のものよりこっちの方が描きやすくて好きなのですが、根強い細身支持派のためにPro Penの細いのものもただいま開発中とのこと。 とくに感じているのは、追従性がよくなったということ。追従というか「同時」としかもう感じないレベルです。

本体のベゼルに磁石でくっつけ使用するコントローラー「ExpressKey Remote」は17個のボタンにショートカットや操作を割り振ることができます。

  • 「ExpressKey Remote」にはショートカットを割り当てることが可能ですので、直感的な操作が可能になります

個人的な感想ですが、液タブの本体表面はガラス製なので「紙みたいな描き味」というよりむしろ、このガラスのなめらかな滑りが慣れると気持ちがよく、美しさはもちろん、ホコリがたまりにくい上に、熱くなりにくくなった(ような気がする)フラットな画面も好感触です。

24インチという大きな画面の快適性と滑らかなペンの動き、この2つが揃ってこその描き味が十分に堪能できる贅沢な製品となっています。(夏場は暑い液タブ、というイメージはもうありません)

使って実感! タッチとスタンドの恩恵

また、「タッチ対応モデルって、何が便利なの?」という声をよく聞きますが、使い慣れたスマホやタブレットのような操作が大きな画面の中でも可能で、空いた左手がさらに有効に使える、という点に尽きると言えます。

とくに、拡大縮小や画面移動などは感覚的な操作が実際の機能と直結しているので、使い込むとより「画面(作品)を自分の手で作っている」実感が持てて、手放せなくなります。

  • タッチ操作が可能になったことで、空いた左手が有効に使えます。自分の手で作っているという感覚に

そして、ついに発売となった専用スタンド「Wacom Ergo Stand」。……わかる。わかります。私の第一印象ももちろん「……た、高っ!」でした(笑)。ですが実際に使ってみて、ついに購入のタイミングが来たなと実感しています(いやほんとに)。

  • 「Wacom Ergo Stand」を横から見た図。組み立ては正直大変でしたが、なるほどなるほど。これは便利です

「Wacom Cintiq Pro 24」は内蔵のスタンドを寝かせた状態で使用すると若干傾斜の傾斜があり、スタンドを立てると約20度傾斜した状態になります。

サイズ感からしても頻繁に持ち運びしたり膝に乗せて使う(!)という選択肢はないと思いますので、もしこれ以外に設置の角度をカスタマイズしたい場合はWacom Ergo Standが必須という訳ですね。Wacom Ergo Standを設置すると机の前側に画面をせり出させて使っても倒れる心配なし!グリップ性も抜群で、しっかり安定して支えてくれる心強さといったら。

また、従来のスタンドの角度と高さの調整機能に加え、回転にも対応。これが、もうほんと待ってました!って感じなのです。

  • 回転にも対応しているため、自分の使いたいようにタブレット自体の角度を変えて制作できます。これがすごく便利!

自分の使いたいように、全ての角度に滑らかに動いていく様は感動すら覚えます。もう自分が首を傾ける必要も動く必要もありません!(まっすぐの線は画面を傾けて)

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タッチ対応モデルに専用スタンドの組み合わせ、まず使ってみて感じたのは「ソフトとハードがより密接にリンクしてきた」という感覚。右手にタッチペン、左手で画面を操作。そして意外と描きにくい水平垂直の線はタブレットを柔軟に傾けて。大画面の液晶を縦にして使うと、もうそれはほぼイーゼルに立てかけたカンバスそのものです。

タブレットで油絵を、なんて感覚も将来的に、いえ、今すぐにでもあり得てしまうそんな可能性を感じた瞬間でした。

  • 縦位置にするとこんな感じ。まさにイーゼルに立てかけたカンバスといった趣に