IFA2018の2日目、基調講演に米アマゾンのDaniel Rausch氏(VP of Smart Home)が登壇した。テーマはもちろん、音声アシスタント「Alexa」だ。シングルデバイスでスタートしたAlexa対応スマートスピーカーは、子どもでも使える簡単操作の機器として、リビングルームに陣取るようになり、すでに1千万のユーザーを獲得している。
そのAlexaは、2018年1月からこの日までに、世界中で「アレクサ愛している」と100万回いわれているそうだ。そのくらい身近な存在として認識されているのがAlexaだ。
Rausch氏は、会話が成立することはとても重要なことだという。つまり、会話の流れにあわせ、自然に次の会話をつないでいくことができなければならない。たとえば、会話を始めるためにAlexaと呼びかけたとしてまあそれはいい。だが、それに反応したAlexaの言葉を聞いて、次の言葉を投げかけるときに、Alexaと前置きしなくてもいいことこそ会話なのだ。人間同士の自然な会話はたいていそうなっている。それをAlexaで実現するためには、ディープラーニングが重要なカギになっているという。
Alexa用の開発ツールが充実している点も強くアピールされた。スキルキット、ボイスサービス、ファンドなどが用意され、現時点で、約五万のスキルが公開されている。22歳の学生が月に1万ドルを稼ぐ例もあるという。
各社からさまざまなAlexaデバイスが提供されていることもRausch氏は強調する。特に今年のIFAでは、インテルから新プロセッサが発表され、PCのAlexa対応も一気に進んだ。Alexa互換デバイスも急増し、2017年には4,000に達しているそうだ。
ステージにはゲストとして、Vestel社のCEO Turan Erdogan氏が登壇し、Alexaがインテグレートされたテレビなどを紹介した。二人目のゲストとして登壇したBOSCH Smart Homeのマネージングディレクター、Gabriel Wetzel氏は、オーブンから玄関カメラまであらゆるものを音声でコントロールできることが、ホームオートメーションにおけるAlexaの強みだとし、スクリーンをタッチするような世界の優位性は、ホームオートメーションに最適だとした。
最後にRausch氏は、一番好きなユーザーレビューのひとつという全文を引用し、一字一句詠み上げて紹介した。そこには子どもを持つ父親らしきユーザーの暮らしを変えたAlexaが、「自分がまるで未来に暮らしているかのように感じさせてくれた最初の機器」だと書かれていた。Rausch氏がめざしている世界観は、まさにこのレビューの通りなのだろう。