前回で長い長い前振りがようやく終わり、今回からいよいよParallels Desktop for Macを使ってWindowsを導入する方法を紹介していく。まずはParallelsの試用版を導入してみよう。実際の製品版と導入の手順は変わらないので安心してほしい。

試用版をダウンロード&インストール

まずはParallelsを入手するところから始めよう。Parallels Desktopは同社のウェブサイトから14日間フル機能が利用できる試用版がダウンロードできるので、まずはこれから始めてみよう。

  • トップページに「無償トライアル」のリンクがあるので、これをクリックして試用版をダウンロードしよう

ダウンロードページに移動するので、「ダウンロード」ボタンをクリックしてインストーラーをダウンロードしよう。すぐにダウンロードが始まるが、そのまま放っておくと「トライアルセンター」に自動的にジャンプする。ここにはParallels Desktopを使う上でのヒントになる情報が揃っているので、ぜひ読んでおこう

  • 「ダウンロード」ボタンを押すとインストーラーのイメージファイルがダウンロードされる。、固定回線がある環境で作業するのがいいだろう

  • とりあえず当記事を読んでいればさほど困らない…はずであるが、公式情報は全てに優先するので、一通り目を通しておくことをお勧めする

Parallels Desktopをインストール

ファイルをダウンロードしたら、ダブルクリックして開こう。ディスクイメージがマウントされ、インストーラーのアイコンが表示される。

  • 試用版のイメージファイルは「ダウンロード」フォルダーに置かれているので、ダブルクリックでマウントしよう

  • イメージがマウントされるとウィンドウが開いてインストーラーが大きく表示される。ダブルクリックして開こう

基本的にはインストーラーが自動的に必要なファイルを組み込んでくれるのだが、機能拡張をインストールする都合上、macOS側のセキュリティ上の制約で、途中で一度ユーザーが操作しなければならない場面がある。

  • macOSでは、インターネットからダウンロードしたファイルはセキュリティのため、開いていいかユーザーに確認ダイアログが表示される。自分でダウンロードしたことが明らかなファイルであれば「開く」を選ぼう

  • 使用許諾が表示されるので、よく読んでから「同意する」をクリック。まあちゃんと読んでる人は少ないと思うが……

  • インストーラーが管理者パスワードを要求してくるので、管理者権限のあるユーザーのアカウントとパスワードを入力(一人で使っているシステムであれば自分のパスワードでOK)。ここまでは普通のインストールと同じだ

  • 機能拡張がブロックされたというダイアログが表示され、同時にParallelsインストーラーでも同様の画面が表示されるので「セキュリティ設定を開く」をクリック

  • ここで右下の「許可」ボタンをクリックすると、そのまま引き続きインストールが行われる

必要なファイルのインストールが終了すると、Parallels Desktopが自動的に起動する。最初の起動時は若干時間がかかることがあるので、画面が表示されるまで静かに待とう。「インストールアシスタント」の画面が表示されたら成功だ。

  • 「インストールアシスタント」はParallels Desktopの、いわゆる「新規ファイル」画面。ここから仮想マシンを作成して、そこにインストールするOSを選ぶことになる

これにてParallels Desktop自体のインストールは終了だ。きちんとインストールできたことが確認できたら終了して構わない。実は細かいことをいうと、評価版と製品版とは一部、若干挙動が異なる部分があるのだが、基本的なところは変わらないので安心してほしい。次回はWindows 10の評価版を入手してParallels Desktopにインストールするまでを紹介する。

3つあるエディションはどれを選ぶべき?

今回は試用版ということで特に触れなかったが、Parallels Desktopには、通常版となる「Standard Edition」(直販価格:8,500円)に加え、「Pro Edition」(直販価格:1万円/年のサブスクリプション制)と「Business Edition」(直販価格:1万円/年のサブスクリプション制)の3つのエディションがある。

3つのエディションの違いは、Standardと比べてProとBusinessでは仮想環境がサポートするメモリやCPUの最大コア数が多く、開発者や企業ユースに便利な機能が追加されていること、Businessではさらに一括して導入・管理するための機能が与えられていることなどだ。このうち、Business版は基本的に個人で導入するメリットがない(Proで事足りる)ので、導入時の比較対象となるのはStandardとProになる。

機能的には前記のような違いはあるが、個人ユース、特にWindowsをインストールしてWindows向けアプリを使いたい、といった程度であれば、Pro版の機能はオーバースペックだ。さらに言えば、パッケージ版の販売では直販価格よりも15〜20%ほど安く販売しているケースも多く、価格差は数千円にまで広がる。ということで、通常はStandardを選べば十分だろう。

なお、Pro版では年間1万円でのサブスクリプション制を採用しており、バージョンアップがあっても常に最新版を使えることに加え、Macにスマートフォンやブラウザ経由でリモートアクセスを可能とする「Parallels Access」の1年分の利用権(2,000円相当)が付いてくる。Standardの場合はアップグレードパッケージが直販価格で5,300円するので、毎年バージョンアップすることを考えるとPro版を選ぶメリットもある。この辺りは自分の利用形態と相談して選べばいいだろう。